「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、実行中の外部スクリプトに関する情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_external_script_requests」における、実行中の外部スクリプトに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016以降です。
「sys.dm_external_script_execution_stats」では外部スクリプトの関数の実行回数を確認できましたが、カウンターの増加は処理の完了後であるため、実行中の処理に関する情報は取得できませんでした。「sys.dm_external_script_requests」を実行すると、実行中の外部スクリプトに関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
external_script_request_id | uniqueidentifier | 外部スクリプトの要求ID |
language | nvarchar(128) | 登録されている外部スクリプト言語の名前 |
degree_of_parallelism | int | 並列処理の次数 |
external_user_name | nvarchar(256) | 実行された時のWindowsのworkerアカウント |
外部スクリプトが実行中の環境で「sys.dm_external_script_requests」を実行すると、実行中の外部スクリプトに関する情報が出力されました(図1)。
「sys.dm_external_script_requests」では、「language」列と「degree_of_parallelism」列から言語と並列度が確認できます。SQL Server 2019では、外部プロセスの新しい分離メカニズムであるAppContainerが採用されたため、「external_user_name」列ではAppContainerの情報が出力されます。
「external_script_request_id」列は「sys.dm_exec_requestsのexternal_script_request_id」列と結合できるため、SQL Serverの「session_id」の情報などを確認できます。また、外部スクリプト実行中は「EXTERNAL_SCRIPT_NETWORK_IO」待ちとなります。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 RTM」をインストールした環境を想定して解説しています。
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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