ジュニパーが SD-WANの統合管理対応を完了、機械学習/AIを生かしたトラブルシューティングも実現ハードウェア製品も発表

ジュニパーネットワークスがSD-WAN製品「Session Smart Router」で、機械学習/AIを活用する同社のネットワーク管理サービス「Mist AI」との統合を完了したと発表した。

» 2022年02月03日 06時52分 公開
[三木泉@IT]

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 Juniper Networksの日本法人、ジュニパーネットワークスは2022年2月2日、同社のSD-WAN製品「Session Smart Router」で、機械学習/AIを活用する同社のネットワーク管理サービス「Mist AI」との統合を完了したと発表した。

 Junperは、ユニークなSD-WAN技術を持つ128 Technologyを買収し、その製品をSession Smart Routerとして展開してきた。

 Session Smart Routerは独自のルーティング技術を持つSD-WAN製品。IPsecなどのようなトンネリングは行わず、ペイロードのみを暗号化する(httpsなどの場合はペイロードを暗号化しない設定も可能) 。このためパフォーマンスは高いと、 ジュニパーネットワークスの技術統括本部エンタープライズアーキテクト、和久利智丈氏は話す。

無線 LAN からSD-WANまで 、Juniperの企業向けネットワーク製品全てで機械学習を活用した管理を実現

 一方Juniperは、無線LANベンダーMist Systemsの買収で、機械学習/AIを活用する管理基盤「Mist AI」を獲得した。そしてこの技術を無線LANから有線LAN、SD-WANへ段階的に統合してきた。今回SD-WANの初期設定や管理がMist AIクラウドからできるようになったことで、企業向けネットワーク製品全体の統合が完了したという。

 Mist AIでは、ネットワーク製品からの情報をリアルタイムでクラウドに集約。これに基づいて管理コンソールからネットワークの状態を一括して監視できる。また、ユーザー体感速度の低下や接続障害を自律的に検知し、 根本原因を解析できる。 さらに、一部のトラブルについては自律的に修復を行う。「Marvis」というツールでは、自然言語を使い対話型で、ネットワークの状態やトラブルの確認ができる。

 今回の統合完了により、無線 LAN からSD-WANまで Juniperの企業向けネットワーク製品全てから情報を収集し、場合によってはユーザーが気が付かないうちにサービスレベルの低下を検知し、先回りして対策を打てるようになったと和久利氏は話している。

 ジュニパーはSmart Session Routerでさらに、セキュリティ機能(IDS/IPS、URLフィルタリング)の追加と、ポートを備えた同社製の機器を発表した。

 Smart Session Routerはソフトウェアルータであるため、一般的なサーバで動く。従来はポート付きのサードパーティー機器も選択肢として用意されていた。今回、ジュニパーとして機器を用意し、バーコードのスキャンだけで設定できるようにしたことで、導入が容易になったという。

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