デロイト トーマツは、2021年版の「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」の結果を発表した。国内企業が優先的に対処すべきと考えているリスクの第1位は「異常気象、大規模な自然災害」だった。
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デロイト トーマツは2022年4月13日、2021年版の「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査」の結果を発表した。それによると国内企業が最も優先的に対処すべきと考えているリスクは「異常気象、大規模な自然災害」ということが分かった。
この調査は、日本の上場企業約3500社を対象に実施し、377社から有効回答を得た。
2021年は各地で地震や風水害、火山噴火、豪雪といった自然災害が相次いだことで「災害リスクに対する企業の意識が高まっている」とデロイト トーマツは分析している。なお第2位は「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」、第3位は「サイバー攻撃・ウイルス感染などによる情報漏えい」だった。
国内本社と国内子会社が2020〜2021年に経験したクライシス(危機)について聞くと「自然災害関連」を挙げた割合が高く、2020年は30.9%、2021年は24.6%だった。特に金融業の被害が大きく、2020年の50.0%から2021年は77.8%に大幅に増加した。「経済環境関連」を挙げた割合も高かった。
卸・商社業は2020年のゼロだったのに対して2021年は11.1%。デロイト トーマツは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、世界的な物流の停滞に関する危機感が現れた」とみている。
COVID-19対策の中で「優先して着手が必要」と考える取り組みについては「テレワークの推進」と回答した割合が最も多く、41.4%だった。次いで「企業戦略の見直し」「危機管理体制強化」「ペーパーレス化の推進」「業務プロセスの標準化」と続ており、デロイト トーマツは「企業経営やガバナンス、業務オペレーションといった分野での対策が急務だと考えている企業が多い」と分析している。
デロイト トーマツの二條優介氏は「COVID-19の影響を受けて市場ニーズや自社体制、サプライチェーンが変化する中で、経済社会の不確実性に対して戦略目標や打ち手をアップデートしたいというニーズが急増している。加えて地政学リスクが顕在しており、有事対応の在り方も問われている」と述べている。
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