デージーネットは「今後利用したいLinuxOSについてアンケート調査」の結果を発表した。調査によれば、現在利用しているLinuxディストリビューションのトップは「CentOS」だが、CentOSは既に先が見えているため、終了後に備えなければならない。
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デージーネットは2022年8月25日、「今後利用したいLinuxOSについてアンケート調査」の結果を発表した。
同社がアンケート調査を実施した背景には「CentOS」がどの程度利用されており、今後どのLinuxディストリビューションに移行すればよいのかという課題があるからだ。
「Red Hat Enterprise Linux」との完全互換性を目指したフリーのLinuxディストリビューションである「CentOS 8」は、サポートが既に2021年末に終了している。サポート期間がより長い「CentOS 7」も、2024年6月末に終了する予定だ。
アンケート調査によれば、現在利用しているLinuxディストリビューションのトップは「CentOS」、今後利用したいディストリビューションのトップは「AlmaLinux」だった。
現在利用しているLinuxディストリビューションの上位4つは、CentOS、Red Hat Enterprise Linux、「Ubuntu」、AlmaLinux。
今後利用したいLinuxディストリビューションの上位4つは、AlmaLinux、「Rocky Linux」、Red Hat Enterprise Linux、Ubuntuだった。
AlmaLinuxを現在利用していると回答した企業の割合は9%だったが、今後利用したいと回答した企業は最も多く36%を占めた。
Rocky Linuxも、現在利用していると答えた企業は少なく、わずか4%だったが、今後利用したいと答えた企業は2番目に多く、20%だった。
AlmaLinuxはRed Hat Enterprise Linuxのクローンとして開発され、無償で提供されている。開発母体は、Red Hat Enterprise Linux互換の「CloudLinux OS」を提供しているCloudLinux。
Rocky Linuxも、Red Hat Enterprise Linuxのクローンとして開発されている無償のディストリビューションだ。Rocky Linuxのプロジェクトは、CentOSプロジェクトの創始者であるKurtser Gregory氏が中心となって発足した。
現在CentOSを利用している企業が、その代わりのLinuxディストリビューションとしてAlmaLinuxとRocky Linuxに注目していることが分かった。デージーネットでは、その理由を2つ挙げている。
1つ目は、コミュニティーによって開発されていることだ。CentOSが終了する背景には企業の意向が強く影響しているといわれており、デージーネットは、CentOSからの乗り換え先には、コミュニティーベースであることが重要視されているとみている。
2つ目は、リリースが速いことだ。Red Hat Enterprise Linuxでソフトウェアアップデートが提供されてから、1日程度でAlmaLinuxのアップデートが提供されることがある。メジャーリリースでも、例えば「Red Hat Enterprise Linux 9」の提供開始後、1週間程度でリリースされる。Rocky Linuxも同様で、CentOSよりもリリースが速い。Rocky LinuxやAlmaLinuxは、Red Hat Enterprise Linuxの互換OSとして、先端技術をいち早く取り入れられると、デージーネットは結論付けている。
なお、今回の調査は、デージーネットが2022年7月に開催した「LinuxOS最新情報2022版」セミナーの参加者77人を対象に実施し、46人から有効回答を得た。
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