国内のAWS専業インテグレーターがGoogle Cloudを扱う動きが相次いでいる。第3のメジャークラウドであるGoogle Cloudの使われ方が変化してきたということなのだろうか。だとすれば具体的にどう使われているのか。ユーザーやインテグレーターに聞いてみた。
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3大パブリッククラウドで最後発のGoogle Cloud。日本に進出後、ゲームをはじめとするテック企業の世界でこそ存在感を示してきたが、現在も「一部の人が使うクラウド」というイメージが強い。一般企業には浸透してきているのだろうか。
グーグル・クラウド・ジャパンは、他の主要クラウドと同様、日本での売り上げや成長率を明らかにしていない。だが、Amazon Web Services(AWS)専業のインテグレーターとして知られてきたサーバーワークスが合弁企業の設立や企業買収を通じてGoogle Cloudのインテグレーション事業に乗り出し、テラスカイがGoogle Cloud専業の子会社を設立するなどの動きからは、Google Cloudの需要が高まっていることが想像できる。
では、なぜGoogle Cloudの需要が高まっているのか。グーグル・クラウド・ジャパンは日本でGoogle Cloudの利用が広がっている理由を、「トランスフォーメーションクラウド」「マルチクラウド」などの言葉で説明するが、具体的なイメージがわきにくい。
Google Cloudは、いま国内企業にどう使われているか。ユーザー企業やインテグレーターに、具体的に聞いてみた。
大日本印刷(以下、DNP)は、デジタル事業を推進する過程でGoogle Cloudの利用が増えている一社だ。
DNPは現在、約650のシステムをクラウド上で動かしており、そのうち4分の1弱をGoogle Cloudで稼働している。AWSの利用比率は50%強だ。
「一般企業では、マルチクラウドといっても、AWSが8、9割を占めていることが多い。DNPはAWSの比率が低い方ではないか」と同社情報イノベーション事業部ICTセンター 部長の和田剛氏は話す。
背景には、650システムのうち600以上をデジタル事業が占めており、そのデジタル事業で、積極的にマルチクラウド対応を進めてきたということがある。
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