「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、レプリケートされたスキーマに関する情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_repl_schemas」における、レプリケートされたスキーマに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
SQL Serverでは、レプリケーション機能を使用することでデータベースから別のデータベースにデータやデータベースオブジェクトをコピーして配布し、データベースを同期させることが可能です。
「sys.dm_repl_schemas」では、レプリケートされたスキーマに関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
artcache_schema_address | varbinary(8) | メモリ内のスキーマ構造のアドレス |
tabid | bigint | レプリケートされたテーブルのID |
indexid | smallint | パブリッシュされたテーブルのクラスタ化インデックスのID |
idSch | bigint | テーブルスキーマのID |
tabschema | nvarchar(510) | テーブルスキーマの名前 |
ccTabschema | smallint | テーブルスキーマの文字の長さ |
tabname | nvarchar(510) | パブリッシュされたテーブルの名前 |
ccTabname | smallint | パブリッシュされたテーブル名の文字の長さ |
rowsetid_delete | bigint | 削除された行のID |
rowsetid_insert | bigint | 挿入された行のID |
num_pk_cols | int | 主キー列の数 |
pcitee | binary(8000) | 計算列の評価に使用されるクエリ式の構造へのポインター |
re_numtextcols | int | レプリケートされたテーブル内のバイナリラージオブジェクト列の数 |
re_schema_lsn_begin | binary(8000) | スキーマバージョンのログ記録に関する最初のログシーケンス番号 |
re_schema_lsn_end | binary(8000) | スキーマバージョンのログ記録に関する最後のログシーケンス番号 |
re_numcols | int | パブリッシュされた列の数 |
re_colid | int | パブリッシュされた列のID |
re_awcName | nvarchar(510) | パブリッシュされた列の名前 |
re_ccName | smallint | 列名の文字数 |
re_colattr | tinyint | パブリッシュされた列の属性 |
re_maxlen | smallint | パブリッシュされた列の最大長 |
re_prec | tinyint | パブリッシュされた列の有効桁数 |
re_scale | tinyint | パブリッシュされた列の小数点以下桁数 |
re_collatid | bigint | パブリッシュされた列の照合順序 |
re_xvtype | smallint | パブリッシュされた列の型 |
re_offset | smallint | パブリッシュされた列のオフセット |
re_bitpos | tinyint | パブリッシュされた列のビット位置 |
re_fNullable | tinyint | パブリッシュされた列がNULL値をサポートするかどうか |
re_fAnsiTrim | tinyint | パブリッシュされた列でANSI trimを使用するかどうか |
re_computed | smallint | パブリッシュされた列が計算列であるかどうか |
se_rowsetid | bigint | 行セットのID |
se_schema_lsn_begin | binary(8000) | スキーマバージョンのログ記録に関する最初のログシーケンス番号 |
se_schema_lsn_end | binary(8000) | スキーマバージョンのログ記録に関する最後のログシーケンス番号 |
se_numcols | int | 列の数 |
se_colid | int | サブスクライバーでの列のID |
se_maxlen | smallint | 列の最大長 |
se_prec | tinyint | 列の有効桁数 |
se_scale | tinyint | 列の小数点以下桁数 |
se_collatid | bigint | 列の照合順序ID |
se_xvtype | smallint | 列の型 |
se_offset | smallint | 列のオフセット |
se_bitpos | tinyint | 列のビット位置 |
se_fNullable | tinyint | 列がNULL値をサポートするかどうか |
se_fAnsiTrim | tinyint | 列でANSI trimを使用するかどうか |
se_computed | smallint | 列が計算列であるかどうか |
se_nullBitInLeafRows | int | 列の値がNULLかどうか |
レプリケーションを構築し、データを配布した後に「sys.dm_repl_schemas」を実行すると、レプリケートされたスキーマに関する情報が出力されました(図1)。
「tabname」列からレプリケートされたオブジェクトの名前や、「re_awcName」列からオブジェクトの列名などを確認できます。構築した直後など、データ配布前はレコードが何も出力されないため注意が必要です。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019」をインストールした環境を想定して解説しています。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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