プラットフォームエンジニアリングを用いてKubernetesでDevOpsワークフローを実装Gartner Insights Pickup(276)

企業が「Kubernetes」の導入規模を拡大している。Kubernetesは、DevOpsをサポートするために一から設計された、コンテナ化されたサービスの設定や管理を自動で行うオープンソースソフトウェアだ。

» 2022年10月14日 05時00分 公開
[Tony Iams, Gartner]

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 企業が「Kubernetes」の導入規模を拡大している。企業がより多様なアプリケーションへの対応と、さまざまなチームへのサービス提供に向けて、クラウドネイティブコンピューティングによって全社のインフラとアプリケーションをモダナイズしようとしているからだ。

 実際、コンテナとKubernetesの導入が成功すれば、ソフトウェア製品チームにアジリティの大きな向上をもたらし、社内顧客が求める成果をより良く提供できる。

 だが、Kubernetesベースのプラットフォームでコンテナをデプロイすると、技術スタックが変わるだけでなく、インフラとオペレーション(I&O)の担当チームとアプリケーション担当チームの連携の在り方も再定義される。そのため、コンテナに移行するには、IT部門が文化を変革すると同時に、DevOpsプラクティスを根本的な基盤として、新しいワークフローを開発する必要がある。

(出所:Gartner)

 Kubernetesは、DevOpsをサポートするために一から設計された。開発者とインフラ運用チームが、これまでより効率的に共同作業をするための標準的な抽象化を実現する。

 DevOps文化の究極の表現は、開発とインフラ運用の目標を一致させ、部門横断型のソフトウェア製品チームが、設計からデプロイ、運用、廃棄まで、提供するアプリケーションのエンドツーエンドのオーナーシップを持てるようにすることだ。

 このオーナーシップを持つことで、ソフトウェア製品チームは製品管理とアジャイル開発のプラクティスを用いて、バリューストリームを通じてビジネスと技術アーキテクチャのギャップを埋められる。

 商業的にサポートされているKubernetes製品やサービスを利用する場合でも、ソフトウェア製品チームの特定のニーズを満たせるコンテナ管理プラットフォームを定義する必要がある。そのプラットフォームは、ソフトウェア製品チームやアプリケーションデリバリーチームがCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールチェーンを使用して、コンテナとしてパッケージ化されたソフトウェアを開発(オプション)、デプロイ、運用できるセルフサービス環境を提供しなければならない。

 ソフトウェア製品チームによって、Kubernetesに関する専門知識やノウハウ、DevOpsプラクティスの成熟度には差があるかもしれない。そのため、プラットフォームは、時間の経過とともに変化する開発者チームの要件に応じて、機能を柔軟に進化させるアジリティを備えている必要もある。

 そこでGartnerは、プラットフォームエンジニアリングのアプローチでプラットフォームを提供することを推奨している(Gartnerは、このプラクティスを「Platform Ops」と呼んできた)。

 この手法では、プラットフォームエンジニアリングチームが、製品として定義、管理されるプラットフォームのアジャイルデリバリーと運用に責任を持つ。製品マネジャーがそのプラットフォームに責任を持ち、顧客を満足させるよう努める。顧客は、DevOpsを実践して製品をコンテナで提供するソフトウェア製品チームだ。

 部門横断型のプラットフォームエンジニアリングチームは、ソフトウェア製品チームにセルフサービスプラットフォームを提供する。プラットフォームエンジニアリングのアプローチにより、コンテナとKubernetesによるデプロイパイプラインを構築、運用するために、Gartnerはベストプラクティスを提供している。

 Kubernetesプロジェクトを成功させるには、ソフトウェア製品チームがアジリティとアプリケーションライフサイクル管理の観点から、コンテナの基本的なメリットを理解する必要がある。またコンテナプラットフォームは、既存の開発環境に対して機能面で妥協しない方法で、これらのメリットを提供するように設計されなければならない。

 ただし、プラットフォームの設計と実装は、最初のステップにすぎない。プラットフォームエンジニアリングチームが、ソフトウェア製品チームへのより良いエクスペリエンスの提供に尽力することで、プラットフォームを浸透させることも重要になる。

出典:Use Platform Engineering to Implement DevOps Workflows with Kubernetes(Gartner Blog Network)

筆者 Tony Iams

VP Analyst


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