Microsoftは、アプリケーション開発プラットフォームの次期バージョン「.NET 7」のRelease Candidate 2(RC2)を発表した。
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Microsoftは2022年10月11日(米国時間)、クロスプラットフォームのアプリケーション開発OSS(オープンソースソフトウェア)の次期バージョン「.NET 7」のRelease Candidate 2(RC2)を発表した。
.NET 7は、2022年11月に正式リリースが予定されている。.NET 7 RC2は、.NET 7の最終Release Candidate(リリース候補)であり、本番環境でサポートされる。Windows版、macOS版、Linux版がダウンロードできる。「Visual Studio 17.4 Preview 3」でテストされており、Microsoftは、.NET 7をVisual Studioファミリーで試す場合は、プレビューチャネルビルドを使用することを勧めている。
.NET 7の特徴と、.NET 7 RC2での主な変更点は次の通り。
.NET 7は、次のような特徴を持つ。
C#の最新版であるC# 11が利用できる。C# 11は、次のような多くの新機能を提供する。
.NETライブラリは常に改良されており、新機能を含む新しいAPIが定期的に追加されている他、既存APIのパフォーマンス改善も進められている。.NET 7では、ジェネリック型数値演算のサポート、正規表現の改善、レート制限(特定のリソースにアクセスできる量を制限すること)の導入といった機能強化が行われる。
.NETの各リリースでは、.NETプロジェクトの作成、ビルド、管理のためのコア機能を含む.NET SDKに多数の改良が加えられている。.NET 7の主要な改良点としては、次の2つが挙げられる。
アプリケーションのコンテナ化されたバージョンを「dotnet publish」コマンドで作成できるようになり、コンテナイメージが.NET SDKの出力タイプとしてサポートされるようになった。
「NuGet 6.2」から、「Directory.Packages.props」ファイルを追加することで、プロジェクト内の依存関係を一元管理できるようになった。
.NET 7では、「.NET MAUI」が利用できる。.NET MAUI(.NET Multi-platform App UI)は、Android、iOS、macOS、WindowsのAPIを1つのAPIに統合し、多くのプラットフォームでネイティブに動作する単一のアプリを作成することを可能にする。Microsoftは、「開発者は.NET MAUIにより、各プラットフォーム(Android、iOS、macOS、Windows、Tizen)で設計された最良のアプリ体験を提供するとともに、豊富なスタイリングとグラフィックスによって一貫したブランド体験を実現できる」と述べている。
.NET 7では、前述したビルトインコンテナサポートに加え、gRPC JSONトランスコーディングの導入や、「Azure Functions」における.NET 7サポートなどにより、クラウドのレジリエンス(強靭性、回復力)、スケーラビリティ、効率性、速度を活用できるクラウドネイティブアプリケーションの開発機能が強化されている。
gRPC JSONトランスコーディングは、ASP.NET Coreの拡張機能であり、gRPCサービスのRESTful HTTP APIを作成できる。JSONトランスコーディングを構成すれば、HTTPの考え方でgRPCのメソッドを呼び出せる。
.NET 7では、Arm64デバイスで動作するアプリケーションのパフォーマンスを高めるために、厳密なパフォーマンス分析を踏まえてランタイム、ライブラリ、ツールが改善されている。
.NET 7では、アプリケーションのモダナイゼーションを支援するために、Windowsデスクトップおよびクラスライブリプロジェクトをアップグレードするのに役立つ「.NET Upgrade Assistant」が提供されている。また、ASP.NETからASP.NET Coreに漸進的に移行するためのライブラリとツールも提供されている。
.NET 7では、リフレクション、On Stack Replacement(OSR)、起動時間、ネイティブAOT(Ahead Of Time)コンパイラ、ループ最適化など、多くの領域でパフォーマンスに影響する1000以上の改善が盛り込まれている。
.NET 7 RC2での主な変更点は次の通り。
.NET 7は、「Standard Support」リリース(旧称:Currentリリース)となる。.NETは、毎年11月に新しいメジャーバージョンがリリースされ、奇数番号の.NETリリースはStandard Supportの対象となり、サポート期間は従来のCurrentリリースと同じ18カ月だ。偶数番号の.NETリリースはこれまでと同じく「Long-Term Support」(LTS)の対象となり、36カ月間サポートされる。
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