クラウドのコスト管理は、多面的で複雑な問題だ。そして、それは国ごとに異なる。本稿では、クラウドコストを各国のビッグマック1個の価格を基準に考えてみよう。
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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
※本記事は、2022年8月23日に公開されたものです。
クラウドのコスト管理は、多面的で複雑な問題だ。通常、コストに影響するクラウドの幅広いオプションや機能、拡張性は、その氷山の一角にすぎない。クラウドコストの一部の側面は、ほとんどのユーザーには見えないままとなっている。
世界のITリーダーが無視しがちなこうしたクラウドコストの隠れた一面は、「国ごとにクラウドコストが異なる」ことだ。各国には固有の属性があり、その中には購買力平価や政府によるインセンティブ、地域的な制約条件(エネルギー、物理的スペース、通信の可用性など)、文化、経済、政治的側面などが含まれる。これらが各国のIT支出に影響を与えているため、国によってクラウドコストには大きな違いがある。
その現状を明らかにするために、われわれは次の調査をした。すなわち、15カ国を対象に、各国のパブリッククラウドの料金とマクドナルドの「ビッグマック」の価格を比較した。具体的には、各国のビッグマック1個の価格で、パブリッククラウドの「コンピュートインスタンス」をどれだけの時間使用できるかを、クラウド大手3社の6つのインスタンスごとにオンデマンド料金を基準に計算し、その平均を求めた。その結果を下の図1に示す。
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