Microsoft Azureの文脈をお伝えする新連載。第1回と第2回は、Azureの中で最も難解なサービスの1つである「Azure Arc」の解き明かしにチャレンジ。第1回は、機能マトリックスの作成を通じて仮説を構築します。
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Microsoft Azureでは、新たなサービスが次々と生まれています。機能の追加や拡張のスピードが速く、個々のサービスは複雑化していくため、ついていくのが大変です。ベテランのAzureユーザーでも、これまで使ってこなかったサービスをいざ活用しようとすると、「概要を把握するだけで大きな時間と労力がかかる」ということがあるのではないでしょうか。
本連載では、こうした悩みを解決するため、Azureにおける主要機能の「文脈」を紹介していきます。個々の機能を技術的に深掘りするというよりも、 各サービスの基本的なテーマと方向性を確認し、サービスを構成する機能群は何のためにあるのか、複数のサービスをつなぎ合わせることでユーザーにはどんなメリットがあるのか、といった点を解説していきます。
なお、日本マイクロソフトと本媒体では表記ルールに違いがあります(例:日本マイクロソフトでは「サーバー」、本媒体では「サーバ」)。本連載でも、引用部分は日本マイクロソフトの表記ルール、それ以外は本媒体の表記ルールを採用しています。(編集部)
Microsoftは精力的にAzureの機能を拡大・進化し続けています。2022年も、「Microsoft Build」(5月)、「Microsoft Inspire」(7月)、「Microsoft Ignite」(10月)といったイベントが開催されましたが、 そうした場を通じて 、Azure関連では下のような主要サービスに関し、多数の発表がなされました。
本連載では、これらのキーワードを取り上げ、解き明かしていきます。必ずしも特定のサービスだけを取り上げることはしません。場合によっては、例えば「データガバナンス/セキュリティ」をテーマとし、これにAzureのどのサービス/機能がどう関わるかを説明するなどしていきます。また、連載の途中で重要なアップデートが発表されれば、適宜カバーしていきます。
第1回と第2回は、Azureにおいて最も難解なサービスといえるAzure Arcを取り上げます。
Azure Arcはなぜ難しいのでしょうか? Azure Arcは「ハイブリッド/マルチクラウド管理」の機能ですが、「あらゆるもの」を対象に、「あらゆる管理」ができるような印象を与えます。しかし、実際には当然ながら、管理する対象・内容が決まっています。では、何を対象としてどんな管理ができるのか。これが複雑で分かりにくいのです。
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