IDCは、2022年上半期のエンタープライズITインフラ支出を、インフラがサポートするワークロード別に分類。最も支出が多かったワークロードは「構造化データベース/データ管理」だった。
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調査会社のIDCは2022年11月7日(米国時間)、2022年上半期のエンタープライズITインフラ支出を、インフラがサポートするワークロード別に分類したところ、最も支出が多かったワークロードは「構造化データベース/データ管理」だったと発表した。
IDCの支出分析では、「エンタープライズITインフラ」は、コンピュートおよびストレージシステムハードウェアを指す。「ワークロード」は、アプリケーションとそのデータセットとして、相互に排他的な19種類が定義されている。
発表によると、企業は「構造化データベース/データ管理」ワークロードをサポートするために、2022年上半期にコンピュートおよびストレージインフラに63億ドルを支出した。これは上半期のインフラ支出全体の8.5%に当たる。前年同期比では2.2%増であり、このワークロードは、最も成熟したエンタープライズワークロードの一つだと、IDCは述べている。
2022年上半期にインフラ需要が最も伸びたワークロードの上位2つは、「非構造化データベース」と「AIライフサイクル」で、これら用のインフラへの支出は、それぞれ前年同期比52.9%増、40.2%増となった。
支出の絶対額では、「非構造化データベース」用は23億ドルで、インフラ支出が最も少ないワークロードの一つとなっている。一方、「AIライフサイクル」用は44億ドルで、その中には、主にAIトレーニングタスクに関連するプラットフォームへの支出などが含まれる。
IDCは、支出分析に用いた19種類のワークロードについて、その大部分は、2次的または機能的なソフトウェア市場に対応しているが、「コンテンツデリバリー」や「デジタルサービス」など幾つかのワークロードは、対応するソフトウェア市場がないと注釈している。
さらにIDCは、19種類のワークロードを7つのカテゴリーに集約し、これらのカテゴリー別にエンタープライズITインフラ(コンピュートおよびストレージシステムハードウェア)支出を予測した結果も明らかにした。
7つのカテゴリーの内訳は、「アプリケーション開発&テスト」「ビジネスアプリケーション」「データ管理」「デジタルサービス」「電子メール/コラボレーション&コンテンツアプリケーション」「インフラ」「テクニカルアプリケーション」。
2022年にはこれらのワークロードカテゴリーの中で「データ管理」用のコンピュートおよびストレージインフラへの支出が、最も多額の411億ドルとなる見通しだ。「データ管理」カテゴリーには、「AIライフサイクル」「ビジネスインテリジェンスおよびアナリティクス」「構造化データベース/データ管理」「テキストおよびメディアアナリティクス」「非構造化データベース」の5つのワークロードが含まれる。
「データ管理」用インフラへの支出は、2026年までの5年間に年平均9%のペースで増加し、同年には563億ドルに達すると予想されている。この期間を通じて、全ワークロードカテゴリーの中で最大であり続ける見通しだ。このカテゴリーの支出増加の大部分は、非構造化データおよびAI(人工知能)関連の最も急成長するワークロードに起因するだろうと、IDCは述べている。
IDCは2026年までのITインフラ支出を、「共有クラウドへの支出」と「専用環境への支出」に分類して予想しており、「専用環境」には、専用クラウドと非クラウドインフラが含まれる。
それによると、「データ管理」用の共有クラウドへの支出は、2026年には235億ドル、同年までの年平均成長率は15.9%となる見通し。「データ管理」用の専用環境への支出は、2026年には328億ドル、同年までの年平均成長率は5.3%となる見通しだ。
「データ管理」共有クラウド支出の2026年までの年平均成長率予測は、全ワークロードカテゴリーの中で最も高い。「データ管理」専用環境支出の2026年までの年平均成長率予測は、全ワークロードカテゴリーの中で最も高い部類に入る。
一方、「テクニカルアプリケーション」ワークロード用のインフラへの支出は、2026年に111億ドルに達する見通しだ。同年までの年平均成長率について見ると、専用環境への支出が、全ワークロードカテゴリーの中で最も高い6.2%、共有クラウドへの支出が、2番目に高い14.8%と予想されている。
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