「地獄への道は善意で舗装されている」といわれる。私の意見では、クラウドの煉獄(れんごく)への道は空虚な決まり文句で彩られている。
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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。
「地獄への道は善意で舗装されている」といわれる。私の意見では、煉獄(れんごく)への道は、空虚な原則で舗装されている。
クラウドの導入では、これは実によくあることだ。顧客が毎日のように現れ、クラウド戦略についてこんなことを話す。「クラウドを使ってより革新的になる」「コストに注意を払い、最も低コストなソリューションを利用する」「可用性と回復力を最大化する」「クラウドで安全と安心を確保する」「ベンダーにロックインされない」――。
これらの一部はただの決まり文句だ。「クラウドでは気を付けないし、責任も持たない」「実装は最も粗悪なもので問題ない」「楽しくお金を浪費する」などと言う人がいるわけはない。上の段落で挙げた言葉も、意思決定の助けになる原則ではなく、あまり役に立たない。
クラウドに関する方針が意味を持つのは、複数の事項の優先順位を検討する文脈においてのみだ。例えば、「可用性の向上」が「コストの上昇」を伴う場合でも「可用性の向上」を目指すかどうか。また、ポータブルなソリューションと、より革新的なソリューションのどちらかを選ぶ必要がある場合にどう判断するか。こうした問いに答えを出すのに役立つものが、有意義な原則だ(なお、クラウドポータビリティを実現する奇跡的なソリューションが見つかったと思っている人は、ベンダーにまんまとだまされている)。
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