JavaScriptの利用動向に関する年次調査「State of JavaScript 2022」の結果が発表された。各種ライブラリ、機能、ツール、リソース、意見といったカテゴリー別に報告されている。
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JavaScriptの利用動向に関する年次調査「State of JavaScript 2022」の結果が発表された。同調査は2022年11月21日〜12月22日にオンラインで実施され、世界各国のJavaScriptユーザーから3万9472件の回答を得た。回答数は前回調査の2.5倍近くに達した。
同調査は、Web開発エコシステムにおける今後のトレンドを把握し、開発者の技術選択を支援することを目的としている。調査結果は、各種ライブラリ、機能(言語、ブラウザAPI、プログレッシブWebアプリ、WebAssembly)、他のツール、使用状況、リソース、意見といったカテゴリー別に報告されている。
調査結果のハイライトは以下の通り。
7つの観点から、最も勢いのある機能やツールなどが選定されている。
「使用したことがある」回答者の割合が前年比で最も伸びた機能は以下の3つだ。
「今後も使用する」回答者の割合が前年比で最も伸びた技術は以下の3つだ。
満足しているユーザーの割合(「また使用する」と答えた回答者の割合)が最も高い技術は以下の3つだ。
「学習したい」と考えている開発者の割合が最も高い技術は以下の3つだ。
記述回答が最も多く寄せられた技術は以下の3つだ。
コメントが最も多く寄せられた機能は以下の3つだ。
コメントが最も多く寄せられたライブラリは以下の3つだ。
ライブラリの満足度(「また使用する」回答者の割合)について、「90%以上」「80〜90%」「60〜80%」「60%未満」の各グループ別にまとめられた結果は、下図の通り。なお、使用率が10%未満のライブラリは含まれていない
各ライブラリは、フロントエンドフレームワーク、レンダリングフレームワーク、テストツール、モバイルおよびデスクトップ向け、ビルドツール、モノレポツールの6カテゴリーに分類されている。
次の図は満足度とユーザー数から、JavaScript技術を分類したものだ。縦軸で満足度(「また使用する」回答者の割合)、横軸でユーザー数を示している。
左上の「1」に含まれる技術は、ユーザー数は少ないものの、満足度が高く、注目すべき技術だ。特に満足度が高いものとして、Vite、Vitest、Testing Library、「esbuild」(ビルドツール)、「Playwright」(テストツール)、「SWC」(ビルドツール)、Astro、「SvelteKit」(レンダリングフレームワーク)などがある。
右上の「2」に含まれる技術は、ユーザー数が多く、満足度も高く、安心して導入できる。「Jest」(テストツール)、React、「webpack」(ビルドツール)が該当する。
左下の「3」に含まれる技術は、ユーザー数が少なく、満足度も低い。2023年1月時点では推奨しにくい。「Ember」(フロントエンドフレームワーク)、「Cordova」(モバイルおよびデスクトップ向け)、「nw.js」(モバイルおよびデスクトップ向け)、「Browserify」(ビルドツール)、「Gulp」(ビルドツール)、「Gatsby」(レンダリングフレームワーク)などが該当する。
右下の「4」に含まれる技術は、ユーザー数が多いものの、満足度が低い。今回は該当する技術がなかった。
分野別のライブラリ使用率1〜5位を下表で示す。
JavaScriptランタイムの使用率は下図の通りだ。
JavaScriptにコンパイルされる言語の使用率は下図の通りだ。
プログレッシブWebアプリ(PWA)とWebAssembly(「WASM」とも呼ばれる)の利用動向は下図のようになっており、経験者が徐々に増えてきていることが分かる。
JavaScriptの入門時に独習、無料オンラインコース、動画、書籍を利用して学習を始めた開発者が多い。
Medium、Dev.to、CSS-Tricks、JavaScript Weekly、Smashing Magazineの人気が高い。
Stack Overflow、MDN、W3Schools、Udemy、Web.dev、freeCodeCampが高い支持を得ている。
JavaScriptで苦労している点としては、コードアーキテクチャ、依存関係の管理、状態管理、日付管理、デバッグを挙げた回答者が多い。
JavaScriptに欲しいと考える機能としては、静的型付け、標準ライブラリ、優れた日付管理、不変データ構造を挙げた回答者が多い。
今回の調査に対する回答が多かった上位5カ国は、米国(11.9%)、ドイツ(5.2%)、フランス(3.7%)英国(3.6%)、インド(3.2%)だった。
回答者をJavaScriptの仕事や学習での経験年数別に見ると、2〜5年が22.1%と最も多く、ついで5〜10年が20.1%、10〜20年が14.7%を占めた。
回答者の年収別、勤務先規模別の内訳は下図の通り。
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