「Android 14」最初の開発者向けプレビュー版が公開 何が変わった?正式リリースは2023年夏以降

Googleは、モバイルOSの次期バージョン「Android 14」の最初の開発者向けプレビュー版をリリースした。

» 2023年02月16日 08時00分 公開
[@IT]

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 Googleは2023年2月8日(米国時間)、モバイルOSの次期バージョン「Android 14」の最初の開発者向けプレビュー版をリリースしたと発表した。

 Android 14では、パフォーマンス、プライバシー、セキュリティ、ユーザーによるカスタマイズ機能が強化され、開発者の生産性向上を支援する取り組みが継続される。

 Android 14は2023年4月からβ段階に入り、6月にリリースされるβ3からプラットフォーム安定版となり、7月以降リリースのβ4、β5などを経て、正式版が公開される予定だ。

Android 14における主な改良点

多様なデバイスやフォームファクタに対応

 Android 14は、「Android 12L」と「Android 13」での成果を基に、タブレットや折り畳みデバイスをサポートする。さまざまな画面サイズに適応するアプリを作成できるように、ウィンドウサイズクラス、スライドペインレイアウト、アクティビティー埋め込み、制約付きボックスなどが開発済みであり、全てUIアプリ開発ツールキット「Jetpack Compose」でサポートされている。

バックグラウンド作業の効率化

 Android 14では、アプリの連携方法の最適化、システムの健全性とバッテリー寿命の向上、エンドユーザー体験の改善といった取り組みが継続される。

ジョブスケジューラとフォアグラウンドサービスの更新と機能追加

 アプリ開発の簡素化とユーザー体験の向上を目的に、複雑化している一部のバックグラウンド作業の標準パスが作成される。また、既存のAndroid API(フォアグラウンドサービスとジョブスケジューラ)に変更が加えられる。

ブロードキャストの最適化

 バッテリー寿命と応答性を向上させるために、内部ブロードキャストシステムに幾つかの最適化が施されている。

正確なアラーム

 正確なアラームの呼び出しは、バッテリー寿命など、デバイスのリソースに大きな影響を与える可能性がある。そこでAndroid 14では、Android 13+(SDK 33+)をターゲットとする新規インストールアプリは、時計やカレンダーではない場合は、特別な権限の付与をユーザーに要求しなければならなくなった。

カスタマイズ

 アクセシビリティーや国際化機能の強化など、Androidユーザーが個々人のニーズに合わせて体験を調整できるようにする取り組みが継続されている。

非線形スケーリングによる大きなフォント

 ユーザーはフォントを200%まで拡大できるようになる。これまで、Pixelデバイスのフォントサイズの最大スケールは130%だった。

 非線形のフォントスケーリング曲線が自動的に適用されるので、もともと十分に大きいテキストが、小さいテキストと同じ割合で拡大されることはない。

スケーリングなし、標準スケーリング(200%)、非線形スケーリング(200%)のサイズの違い(提供:Google) スケーリングなし、標準スケーリング(200%)、非線形スケーリング(200%)のサイズの違い(提供:Google)

より安全な暗黙のインテント

 悪意あるアプリがインテントを傍受するのを防ぐため、Android 14をターゲットとするアプリは、パッケージを指定しないインテントの内部送信を制限される。

より安全なダイナミックコードローディング

 ダイナミックコードローディング(DCL)は、動的にダウンロードされた実行ファイルが予期せず操作され、コードインジェクションを引き起こす可能性があるため、マルウェアやエクスプロイトの感染経路となり得る。そのため、Android 14をターゲットとするアプリでは、動的にロードされたファイルを読み取り専用にマークする必要がある。

アプリのインストールをブロック

 マルウェアは、新しいAndroidバージョンで導入されたセキュリティやプライバシー保護を回避するために、古いAPIレベルをターゲットにすることがよくある。これを防ぐために、Android 14から、targetSdkVersionが23より低いアプリは、インストールできなくなった。

 マルウェアの中には、2015年にAndroid 6.0(APIレベル23)で導入されたランタイム許可モデルの適用を避けるために、targetSdkVersion 22を使用するものがあることから、このバージョン番号が選択された。

Credential Managerとパスキーのサポート

 「Credential Manager」のα版が先ごろ発表された。この新しいJetpack APIにより、ユーザー認証を簡素化できる他、パスキーのサポートを通じてセキュリティを高めることができる。パスキーは、パスワードや他のフィッシング可能な認証要素の代わりに使用でき、格段に安全であり、ユーザーにとっても便利だ(どのデバイスでも、生体認証スワイプだけで安全にサインインできる)。

アプリの互換性

 Androidでは、アプリの互換性を優先することで、プラットフォームのリリースごとにアップデートを迅速かつスムーズに行えるようにしている。Android 14では、アプリに関わるほとんどの変更がオプトイン方式になり、必要なアプリの変更を、より時間をかけられるようになっている。

 また「OpenJDK 17」がサポートされ、Android 14の最初の開発者向けプレビュー版では、300のOpenJDK 17クラスにアクセスできる。今後の開発者向けプレビュー版で、Java 17の言語機能が完全に有効になる見通しだ。

Android 14開発者向けプレビュー版の使用方法は?

 Android 14開発者向けプレビュー版は、「Pixel 4a(5G)」以上のデバイスにシステムイメージを取り込めば使用できる。「Android Studio」のAndroid Emulatorで64bitシステムイメージを使用することもできる。

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