AWSはモバイル通信事業者向けに、AWS上での5Gネットワークの構築を自動化し、統合的なライフサイクル管理を実現する「AWS Telco Network Builder」を発表した。ETSI、TOSCA、MANOなど、通信業界の各種標準に準拠していることを強調している。
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World Mobile Congress 2023を前に、Amazon Web Services(AWS)は2023年2月21日(米国時間)、5Gネットワークの構築や管理を自動化する「AWS Telco Network Builder(AWS TNB)」を発表した。
AWS TNBは大別して3つの機能を備える。第1に、コンテナとしてのネットワーク機能群の構成を定義し、AWSへの展開を自動化できる。グラフィカルインタフェースでウィザード形式による操作も可能。第2に、AWS TNBという単一のツールで、構築に加えネットワーク機能のアップデート、アップグレードもできる。第3に、単一のダッシュボードで、ネットワーク機能および関連AWSサービスをモニタリングできる。
AWS TNBでは、通信業界のAPIを通じ、次のようなAWSサービスを自動的に構成する。
AWSによると、通信事業者はAWS TNBを次のように利用する。
まず、個々のネットワーク機能の、コンピューティング、ストレージ、データベースなどのリソース要件を、TOSCA(Topology and Orchestration Specification for Cloud Applications)形式のネットワーク機能記述子(NFD)として定義する。 また、ISVによるNFのソフトウェアイメージをAmazon ECRへのポインタとして提供する。
次にネットワーク サービスをTOSCA形式のネットワーク サービス記述子(NSD)として定義する。
すると、AWS TNBはAWS CloudFormationテンプレート、Amazon VPC、アカウントを作成する。ネットワークのデプロイでは、サードパーティーのサービスオーケストレーターがETSI API経由でAWS TNBを呼び出し、個々のネットワークサービスを開始する。AWS TNBは、Amazon EC2、Amazon EKS クラスタ、Amazon VPCなど、必要な AWSのリソースをインスタンス化して、運用ネットワーク サービスを作成する。
ネットワークが稼働すると、サービスオーケストレーターはAWS TNBと継続的にやり取りして、リソースのスケーリング、監視、ヘルスチェック、再構成など、ネットワークサービスのライフサイクルを管理する。既存のネットワークサービスの再定義、ネットワーク機能の更新、ネットワークトポロジーの変更、新たなサービスの展開は、AWS TNB APIと AWSマネジメント コンソールを使用していつでも行える。 また、AWS TNBのダッシュボードで、AWS リソースの検査や監視ができる。
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