2023年以降のネットワーク投資動向を読むGartner Insights Pickup(293)

2023年に入って間もないこの時期に、今年以降のネットワーク投資の動向を考えてみよう。

» 2023年03月03日 05時00分 公開
[Andrew Lerner, Gartner]

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ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Smarter with Gartner」と、ガートナー アナリストらのブログサイト「Gartner Blog Network」から、@IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

 Gartnerは、2022年12月上旬に開催した「Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference」で、聴衆(約250人のインフラとオペレーション〔I&O〕担当リーダー)にアンケート調査をした。「今後1年間に最も投資する可能性が高い技術」について尋ねたものだ。選択肢として、ユニバーサルZTNA(ゼロトラストネットワークアーキテクチャ)、NetDevOps、MCNS(マルチクラウドネットワークソフトウェア)、SASE(セキュアアクセスサービスエッジ)、サービスとしてのネットワーク(NaaS)の5つを用意した。回答結果を以下に示す。

(出所:Gartner)

 「2023年はSASEの年」とまでは言わないが、SASEの存在感は本当に大きくなっている。Gartnerでは、2025年までに、SD-WANは単一ベンダーのSASE製品の一部として購入される割合が50%になるとみている。この割合は、2021年には10%に満たなかった。ただし、多くの企業はさまざまな理由(更新/交換サイクルの不一致、サイロや機能レベルなど)から、デュアルベンダーソリューションを好みそうだ。

 そのため、私たちは2025年までに、企業の65%がSASEの個々のコンポーネントの調達先を、自社と明確なパートナー関係にある1社または2社のSASEベンダーに集約するとみている。2021年には、こうした企業の割合は15%にとどまっていた。「最終的には、魅力的なSASE製品を提供できないネットワークおよびセキュリティベンダーは、2026年までにニッチな市場に追いやられてしまうだろう」と、考えている。

 最後にもう一つ重要なことを。私は、CLI(コマンドラインインタフェース)をメインインタフェースとして使用するネットワーク運用チームの割合について、過去に予測したが実現しなかったことがあるが、これに懲りずに、引き続き挑戦していきたい。2025年までに25%の企業は、ネットワーク処理の半分以上を自動化するとみている。この割合は、2022年初めには8%に満たなかった。

出典:Networking Investments for 2023 and Beyond(Gartner Blog Network)

※「Gartner Blog Network」は、Gartnerのアナリストが自身のアイデアを試し、リサーチを前進させるための場として提供しています。Gartnerのアナリストが同サイトに投稿するコンテンツは、Gartnerの標準的な編集レビューを受けていません。ブログポストにおける全てのコメントや意見は投稿者自身のものであり、Gartnerおよびその経営陣の考え方を代弁するものではありません。

筆者 Andrew Lerner

VP Analyst


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