スロバキアのセキュリティ企業ESETは、公式ブログWeLiveSecurity.comで強力かつ使いやすいパスワードの作り方を紹介した。
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スロバキアのセキュリティ企業ESETは2023年5月4日(現地時間)、公式ブログWeLiveSecurity.comで強力かつ使いやすいパスワードの作り方を紹介した。同社は「近年、覚えるべきパスワードは増加傾向にある」と指摘する。その中で、「一部のセキュリティ専門家は、これまでのパスワードの管理方法は持続不可能であると指摘している」とも述べ、強力かつ使いやすいパスワードの作り方を6つ挙げた。
パスワードを設定する際、複雑なものに設定することは、もはや必須ではないとESETは訴える。
大文字と小文字の両方を含めたり、少なくとも1つの数字と特殊文字を含めたりといったやり方は古いという。なぜなら、こうしたルールは強力なパスワードの設定を促進せず、むしろ弱くて覚えにくいパスワードにつながってしまうからだ。そのため、同社では「パスワードは適度に簡潔なものがいいだろう」としている。
短くて覚えにくいパスワードの代わりに、パスフレーズ(複数の単語やフレーズで構成される認証情報)を活用するのも有効だ。
頭から離れない文章があれば、これに大文字や特殊文字、絵文字をちりばめて使うこともできる。自動化ツールでも解読は簡単でないといい、同社はパスフレーズの効果を説明している。
パスワードを定期的に変更する必要はないと現在では考えられている。
ユーザーにとって、定期的に強いパスワードを考えることは負担が大きいからだ。結果的に弱いパスワードを使ったり、複数のサービス間で共通のパスワードを使い回すリスクも考えられる。同社では「定期的にパスワードを変更させることは悪影響のほうが多くなる可能性がある」としている。
ESETでは、他人に知られている情報をベースにしたパスワードや認証質問も時代遅れだと考えている。ユーザーにとっては、忘れたパスワードを探すのには役立つかもしれないが、その分、リスクは高い。例えば、「初めて飼ったペットの名前」などは、ちょっとしたリサーチやSNSで簡単に推測することができるので注意が必要と同社は指摘する。
一般的に使用されるパスワードを使用禁止とするのも有効な手段の1つであるとESETは説明する。新しいパスワードを、一般的に使用されるパスワードや以前に侵害されたことのあるパスワードのブラックリストと照合し、そのリストに記されたものは使用できなくするものだ。
同社によると、Microsoftは2019年、ユーザーのアカウントをスキャンし、ユーザー名とパスワードを約30億セットの流出した認証情報のデータベースと比較。その結果、パスワードが漏洩した4400万人のユーザーを発見し、パスワードのリセットを強制した過去があるという。
一方、「パスワードだけに頼らないことも重要」と同社は訴える。
パスワードがいかに強力で独自のものであっても、データを守る1つの要素にすぎない。アカウントを安全に保ちたいなら、認証レイヤーを追加することが絶対条件というのがESETの考えで、認証レイヤーとして、二段階認証システム、ソフトウェアベースのワンタイムパスワードジェネレーターなどを挙げた。
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