Microsoftは同社の技術ブログで「Visual Studio 2022」の開発者体験の改善について解説した。「Microsoft Dev Box」を組み合わせることでVisual Studio 2022の起動を高速化したり、ID入力を最低限に抑えたりできるという。
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Microsoftは2023年5月23日(米国時間)、同社の技術ブログで「Visual Studio 2022」の開発者体験の改善について解説した。それによると、Visual Studio 2022を「Microsoft Dev Box」(以下、Dev Box)と組み合わせて使用することで、開発者の生産性を最大化し、開発ワークフロー全体を効率化できるという。
なお、Dev Boxは開発者向けのマネージドサービスで、同社は「開発者がオンデマンドで高性能、安全かつすぐにコード化できるワークステーションをクラウド上に作成できる」と説明している。
MicrosoftはVisual Studio 2022の開発者体験を向上させるため、さまざまな改善に取り組んでいる。Visual Studio 2022の17.7プレビュー以降は、Visual Studioの全体的なパフォーマンスを向上させる幾つかの新機能が含まれているという。
これまではDev Box上でVisual Studio 2022を起動した際には資格情報の入力が必要だった。だが、Dev Boxの作成とログインに使用したIDに基づき、Visual Studio 2022に自動サインインされるようになった。資格情報以外にも、例えばテーマカラーなどのローミング設定もすぐに適用される。
「統合設定」を使うことで、Visual Studioの設定をチーム全体で簡単に共有できるようにもなった。初期設定が簡単になり、人間が読めるJSONファイルにエクスポートすることも可能なため、インストール間、チーム間での設定の共有、編集が簡単になる。
また、同社は「GCM」(Git Credential Manager)プロジェクトにも取り組んでおり、「サインインしたWindowsのIDを活用して『Azure DevOps』のリポジトリにアクセスする際に、シームレスにAzureクレデンシャルを提供できるようになる予定だ」としている。
大規模なプロジェクトに取り組む場合、Visual Studio 2022が起動するまで(ロードして作業を開始するまで)に時間がかかることがある。Microsoftによると「IDE機能を有効にするために、ファイルにインデックスを付け、メタデータを生成していることが影響している」という。
だが、Dev Boxを使うとこのデータを事前に生成するため、Visual Studioの起動時間を大幅に短縮できる。また、キャッシュの最適化やコミットグラフの事前生成によって検索、ビルド、テストなどの操作も高速化されるという。
Azureマーケットプレースで、開発者向けの新しいイメージが提供されている。関連性のない要素を削除し、開発にフォーカスしたイメージとなっており、Visual Studioをプリインストールしていないクライアントイメージも利用できる。
Microsoftは次のように述べている。
「Visual Studio 2022の改善によって開発者は一貫したIDエクスペリエンスを享受し、高速で最適化された開発者セッションを実現できる。Azureマーケットプレースも改善され、より開発者に最適なイメージを提供する。ビジネスにおける開発作業の生産性を向上させ、効率的な開発ワークフローが実現になる」
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