VS CodeのPythonおよびJupyter拡張機能がアップデート、Jupyter拡張機能のデフォルトインストールが廃止：microvenvの「Create Environment」コマンドサポートなど

Microsoftは「Visual Studio Code」のPythonおよびJupyter拡張機能の2023年5月リリース分のアップデートが利用可能となったことを発表した。

[＠IT]

　Microsoftは2023年5月4日（米国時間）、「Visual Studio Code」のPythonおよびJupyter拡張機能の2023年5月分のアップデート内容を発表した。

　主なアップデート内容は以下の通り。

• Jupyter拡張機能のデフォルトインストールを廃止
• microvenvによる「Create Environment」コマンドのサポート
• Pylanceによるf-stringsの自動変換
• モジュール名を含む文字列でのコードナビゲーションの有効化

Jupyter拡張機能のデフォルトインストール廃止

　Jupyter拡張機能は、Python拡張機能と共に自動でインストールされなくなる。この変更は、より高速な「Dev Containers」拡張機能の利用を望むユーザーからのフィードバックに応えて実施された。

　Dev ContainersでJupyter Notebookを引き続き使用したい場合は、Jupyterの拡張機能IDをdevcontainer.jsonファイルに追加することで適用できる。

microvenvによる「Create Environment」コマンドのサポート

　venvパッケージがインストールされていないPythonで、拡張機能の「Python: Create environment」コマンドを使用する場合、microvenvを代替手段として適用するようになった。

　microvenvは、Pythonプロジェクトのための仮想環境を作成するための軽量なPythonモジュールだ。通常の仮想環境とは異なり、アクティベーションのスクリプトは備えていないが、Pythonにvenvモジュールが存在しない場合でも独立した環境を作成することができるという。

Pylanceによるf-stringsの自動変換

　言語サーバ「Pylance」の使用時に文字列からf-stringへの自動変換を有効にする新しい設定「python.analysis.autoFormatStrings」が選択できるようになった。有効にすると、引用符内に「{」を挿入することで、Pylanceが文字列の先頭に「f」を自動的に挿入するようになる。

　この設定はリリース時点では無効になっているが、今後、ユーザーのフィードバックがあれば次回のリリースでデフォルトで有効化される予定だ。

モジュール名を含む文字列でのコードナビゲーションの有効化

　新しい実験的な設定「python.analysis.gotoDefinitionInStringLiteral」が選択できるようになった。これにより、モジュールのような文字列リテラルからの「定義に移動」が有効になる。この機能は、DjangoアプリなどのWebアプリケーションで作業中に文字列リテラルで定義されたモジュールに移動したい場合に特に役立つという。

　この設定は、前述の「autoFormatStrings」設定と同様に、現在デフォルトで無効になっている。フィードバック内容をみて、次のリリースではこの動作をデフォルトで有効にする予定だという。