SlashDataは、Ciscoと提携し企業開発者を対象とした2つのグローバルな調査結果をまとめた「開発者とシフトレフトセキュリティ」と題するレポートを公開した。
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Slash Dataは2023年5月12日(米国時間)、Ciscoと提携し企業開発者を対象とした2つのグローバルな調査結果をまとめたレポート「開発者とシフトレフトセキュリティ」を公開した。同レポートは、APIがセキュリティ侵害上の糸口となる危険性があること、脅威の検出と修復のための自動化ツール活用の必要性を明らかにしている。
同レポートによると、企業開発者の58%が過去1年間でAPIのセキュリティ侵害に対処する必要があった。その半数近くが複数の侵害を経験している。
現代のアプリケーションは複数のマイクロサービスから成り立っており、それらのサービスを接続するためのAPIが重要な役割を果たしている。しかし、複数のAPIを扱う開発者がセキュリティを常に最新の状態に保つのは困難だ。SlashDataは開発の初期段階からセキュリティを優先し、コードの修正や、脆弱(ぜいじゃく)性の対処に要する時間と労力の浪費を回避することが重要だとした。
セキュリティ侵害が発生した場合、組織は迅速に対応する必要があることは言うまでもない。だが、侵害が発生してから1日以内に侵害を解決している組織は、3分の1にとどまるとした。
多くの組織が、開発の初期段階でセキュリティの脆弱性を特定することに多大な労力を費やしており、その結果、追加のセキュリティ対策を実施している。
自動化されたセキュリティ手法を採用する割合が高いのは、チームの購買活動に影響を与え、管理し、戦略を設定する意思決定者およびチームリーダー(90%)だ。開発者の多くは、セキュリティのための自動化ツールを使用していない。
SlashDataは、APIは現代のソフトウェアシステムにとって重要だが、APIセキュリティ侵害が日常的に起こっているとした上で、開発の初期段階からアプリケーションのセキュリティを向上させるシフトレフトアプローチが不可欠だとした。
また企業開発者の半数以上が既にシフトレフトに取り組んでいるが、経験の浅い開発者は遅れを見せているとし、シフトレフトアプローチを支援するために、自動化に取り組むことも重要だとした。一方、経験がモチベーションにつながる開発者は、自動化の利用率が低いため、組織は経験の必要性とセキュリティツールの使用の重要性のバランスをとることも重要とした。
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