不適切に記述されたコードに機能を追加すると、評判が悪くなり、ユーザーエクスペリエンスが損なわれる。本稿では技術的負債が引き起こす12の悪影響を紹介する。
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技術的負債とは、コードの再加工が必要なために発生したコストを指すが、その原因にはさまざまなものがある。一般的な原因の1つは、ソフトウェアをすぐにデモしてユーザーからフィードバックを得なければならないというプレッシャーから生じる。
このプレッシャーに応えて、開発者は要件をしっかりと理解したらコードを書き直すつもりで、ショートカットのコーディングを実行する。しかし、多くの場合時間の制約により、プロジェクトリーダーは要件を満たすためにコードを書き直すことを避け、代わりに不十分に書かれたコードベースで要求された機能の開発を続けることを決める。その結果、技術的負債が生じてしまう。
これらのプロセスが時間の経過とともに繰り返し発生すると、企業には技術的負債を抱えた幾つかの社内システムが存在することになり、CIO(最高情報責任者)が対処すべき問題となってしまう。
技術的負債は政府の赤字に例えられる。政府が受け取る歳入を上回る支出をすると、毎年赤字が発生する可能性がある。この過剰な支出により、負債全体が増加する。相次ぐ赤字で借金が膨らむことになる。スタッフが注意を払わないと、多額の借金が発生する可能性がある。
それと同様に、技術チームが構築するシステムにあまりにも多くの欠陥を許容すると、大きな技術的負債が発生することになる。この進展は、会社とCIOに報告されるリソースに重大な影響を与える可能性がある。
技術的負債によってもたらされる12の課題を以下に示す。
技術的負債が増加するにつれて、チームが責任ある方法でシステムを強化する能力はますます衰えていく。これは、過去の技術チームが開発サイクル中に機能の文書化を怠ったか、現在では簡単に編集できない不適切に書かれたコードを使用したことが原因である可能性がある。同様に、過去に誰かがインフラストラクチャを適切にテストしなかったため、テストインフラストラクチャが不足すると、テストの強化が遅くなり、エラーが発生しやすくなる。
ほとんどの従業員は、ソフトウェアの問題を許容し、修正されるまで回避することに慣れている。しかしながら、問題の数が増えると、従業員がタスクを実行するのが困難になる可能性がある。これらの課題が、顧客サービスの低下、従業員のエンゲージメントの低下、データのエラーを引き起こすかもしれない。
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