「クラウドネイティブ」という言葉がなじんだ今、市場に登場した新たなデータベースやデータベースを支えるプラットフォームにまつわる情報を紹介していきます。今回は「TiDB User Day 2023」で気になったセッションを中心に紹介します。
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多くのエンジニアから「既存のデータベースサービスでは性能目標やメンテナンス時間などの要件を満たすことが難しい」という声を聞きます。アプリケーション開発のスピードが上がり、そのアジリティにデータベース技術も追随する必要がある点は筆者の過去連載でも述べましたが、開発現場でどのような課題意識をもって、新たなデータベースの検証をしているのでしょうか。
本稿では、そうしたリアルな検証事例や採用事例を聞くことができる年次イベント「TiDB User Day 2023」の模様をお伝えします。オフライン会場にも多くのユーザーが集まり、セッション内容もMySQL利用者を中心にDBエンジニアを引きつける事例が豊富に取りそろえられていました。
イベントでは、大規模に「TiDB」導入を検討している事例が示され、どのようなメリットがあり、どこに課題があるのか、ユーザーから紹介された点に大きく注目が集まった印象です。記事後半で詳しく解説しますが、HTAPと呼ばれるTiDBの特徴に魅力を感じるユーザーが数多く見られました。
2022年はゲーム業界におけるTiDBの事例が中心でしたが、2023年は金融業界などミッションクリティカルなシステムで検証している事例も紹介されていました。製品の成熟が進んだだけではなく、分散SQLデータベースとしてのTiDBがより広く国内のユーザーに知られるようになった結果を示しています。そうした新規ユーザーはPingCAPが提供する「TiDB Cloud」を積極的に利用しており、構成、運用の難易度が増す傾向にある分散データベースを上手に活用していました。
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