TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2023月9月版では、「Kotlin」がトップ20に返り咲いた。
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ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2023年9月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
TIOBEインデックスはプログラミング言語の人気度を示すランキングで、同社が毎月更新している。2023年9月のランキングでは「Python」が14.16%で首位を維持した。2位〜5位は「C」(11.27%)、「C++」(10.65%)、「Java」(9.49%)、「C#」(7.31%)だった。
Python、C、C#は、それぞれ長期にわたって首位、2位、5位を占めている。C++は6月にJavaを抜いて3位となり、9月まで4カ月連続でこの順位を維持している。
また、7月に過去最高の6位につけた「JavaScript」も、この順位を3カ月連続で維持した。5月に過去最高の17位に入った「Rust」は、7月、9月と再び17位につけた。
これに対し、8月に初めてトップ20入りした「Julia」は、9月には25位に後退した。代わってトップ20に返り咲いたのが「Kotlin」だ。
Kotlinは、チェコのJetBrainsが開発したオープンソースのオブジェクト指向プログラミング言語だ。2016年に最初の正式版がリリースされ、翌2017年にGoogleが、Android向けにKotlinをファーストクラスでサポートすると発表した。
それまでAndroid向け開発に使われていたJavaでは冗長過ぎると評価する向きが多かったことから、Kotlinは人気が上昇し、TIOBEインデックスでも、2017年12月に同言語として過去最高の0.99%のレーティングを獲得。この時期にトップ20入りも果たした。
その後は順位を落としていたが、Kotlinコミュニティーの構築が進み、人気が再上昇している。
TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は、次のように説明している。「現在の盛り上がりはより本格的だ。Kotlinのユーザーベースは、以前よりはるかに拡大しているからだ。Kotlinの存在理由は、Javaの強力なライバルであることだ。ほぼ全ての面でJavaを追い越している。一方、Kotlinに対する主な反論は、『Javaはより確立された言語であるため、より多くのプログラマーが使用しており、書籍、トレーニングコース、ライブラリなども充実している』というものだ」
公開されたTIOBEインデックスの1〜20位は次の通り。
TIOBE Softwareは21〜50位のランキングも公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
4th Dimension/4D、ABC、ActionScript、Algol、Alice、Apex、APL、Bash、bc、Boo、Bourne shell、Carbon、CHILL、CL (OS/400)、CLIPS、Clojure、Crystal、Eiffel、Elixir、Elm、Erlang、Groovy、Hack、Inform、Io、J、J#、LabVIEW、Ladder Logic、Maple、Modula-2、Monkey、MQL5、NATURAL、Nim、OCaml、OpenEdge ABL、Pure Data、Q、Racket、Raku、RPG、Scheme、Smalltalk、Solidity、SPARK、TOM、TypeScript、VHDL、Wolfram
TIOBEインデックスは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。
なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
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