Googleのオープンソースプログラムオフィス内の研究チームが、オープンソースのコントリビューターを理解するための研究結果を発表した。OSSコミュニティーのリーダーがすべきこととは何なのか。
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Googleは2023年9月7日(米国時間)、「Google Open Source Blog」で、オープンソースのコントリビューターを理解するための研究結果を発表した。以下、その内容を要約する。
Alphabet(Google)はOSSの大規模な消費者およびコントリビューターだ。2022年、Googleのオープンソースプログラムオフィス内の研究チームは、オープンソースソフトウェア(OSS)の開発者、コントリビューター、メンテナをより深く理解するための詳細な調査を開始した。
主な目標は、OSSコントリビューターの進化するニーズと動機を調査し、私たちが依存しているコミュニティーを最大限にサポートできる方法を学ぶことだ。また、調査の取り組みとOSSの取り組みに対する全体的な理解をさらに進めるために、調査結果をコミュニティーと共有したいと考えたという。
この研究から得られた重要な発見は、コミュニティーのリーダーがすべきことを下記のように示唆している。
・一緒にいる時間も、離れている時間も大切にする
時間の不足は、「コミュニティーから離れる」動機だけでなく、「貢献しない」主な理由としても挙げられている。従って、コミュニティーのリーダーは全員の時間を最大限に尊重すべきだ。一部のプロジェクトでは休暇や会議のない週、休日期間や人気のカンファレンスが開催される週のペースダウンを計画に組み入れている。
・文書化への投資
コントリビューターとメンテナは、タスクの多様性、委任、新しいメンテナのオンボーディングがOSSでの燃え尽き症候群の軽減に役立つ可能性があると表明した。文書化は、コミュニティーが個人の知識にアクセスできるようにする方法の一つだ。技術的概要および手順の概要に加え、文書は役割、タスク、期待、リーダーシップへの道を明確にするためにも使用できる。
・常に注意してコミュニケーションする
コントリビューターは、歓迎的なコミュニティー、明確なオンボーディングパス、行動規範を備えたプロジェクトを好む。コミュニケーションは、(行動規範に文書化されているように)コミュニティーのリーダーにとって、歓迎的で包括的なコミュニティーを促進し、言語と行動に関する規範を設定するための主要な方法だ。お互いの関係、信頼、尊敬を築く方法でもある。
・匿名のフィードバックのためのスペースを作成する
研究チームの調査では、人口統計上のサブセット間の回答がさまざまなことから、燃え尽き症候群を軽減するために体系的なアプローチを取ることはできるものの、万能のアプローチはないことが分かる。フィードバックは、あらゆるプロジェクトにとって、コントリビューターやユーザーコミュニティーの進化するニーズに適応するための貴重なツールだ。適切に設計されていれば、アンケートは、個人が正直なフィードバックを提供するための、安全で匿名の、報復のないスペースとして機能する。
Googleのオープンソースプログラムオフィスでは、Google内外のコントリビューターへのサポートを改善する方法を常に模索している。このような研究は、コミュニティーへの私たちのプログラムと投資への指針を提供する。この作業は、次のことを継続する必要があることを理解するのに役立つ。
「Googleシーズンドキュメント」は、文書化を改善するためのOSSプロジェクトのサポートを提供し、プロのテクニカルライターにOSSの経験を積む機会を提供する。
「ACROSS」(Attributing Contributor Roles in Open Source Software)プロジェクトは、プロジェクトおよびコミュニティーと協力し続け、役割、責任、OSSプロジェクト内で行われる作業を定義するための一貫した言語を確立する。
私たちはコミュニティー内でのエンゲージメント実践の改善に継続的に努める一方で、全員が成功と課題から学ぶことができることを願って、これらの経験をより広範なコミュニティーと共有し続ける。例えば、行動規範の作成と管理のためのリソースを含む、リリースプロセスに関するドキュメントを公開した。
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