顧客が人間であることは当たり前に思えるが、顧客が人間ではなくなったらどうなるだろうか? 既に、AIによる人間以外の顧客が何らかの形で存在している。その利用に向けた準備を整えるべき時だ。
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企業の顧客が人間であることは当たり前に思えるが、最良の顧客が人間ではなくなったらどうなるだろうか。AIによる、人間以外の顧客が現れつつある。こうした顧客は、人間の顧客とは全く異なる行動を取りそうだ。
実際、こうした顧客は既に何らかの形で存在している。その利用に向けた準備を整えるべき時だ。
AIが雇用に与える影響に対する一般的な懸念は理解できる。だが、この懸念は、より大きなビジネス上の課題から目をそらさせる。それはAIが、人間の顧客からマシンカスタマー(顧客としてのマシン)への置き換えを加速させることだ。
従業員の代わりとなるAI botは、管理者の指示通りに行動するかもしれない。だが、代金を支払って商品やサービスを手に入れるAIベースのマシンカスタマーは、自らの判断で行動するだろう。マシンカスタマーに的確な対応をとれば、自社の市場がマシンカスタマーの増加によって拡大する。だが、マシンカスタマーのニーズを無視すれば、マシンカスタマーにそっぽを向かれても、それすら分からないかもしれない。
新世代のディープニューラルネットワークによるAIシステムは、顧客の役割を変えると予想される。多くの場合、改善するだろう。ハンドバッグや希少なウイスキー、新車などの買い物はレジャーと考えられるかもしれないが、顧客が行うことの多くは面倒な雑用だ。
トイレットペーパーや生命保険、自社用の大規模なITの購入を楽しむ人はほとんどいない。生活の用事を片付けるために時間を割くのは、多くの人にとって避けたいことだ。AIはこうした営みを代替できるし、実際に代替するだろう。
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