開発者が最も使用している生成AIツール、2位は「GitHub Copilot」 1位は?「The State of Developer Ecosystem 2023」を発表

JetBrainsは、開発者エコシステムの現状をまとめたレポート「The State of Developer Ecosystem 2023」を発表した。196の国と地域の2万6348人の開発者から回答を得た。

» 2023年12月27日 10時00分 公開
[@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 チェコのJetBrainsは2023年11月21日(現地時間)、開発者エコシステムの現状をまとめたレポート「The State of Developer Ecosystem 2023」を発表した。JetBrainsは同調査を2023年6月〜7月に行い、196の国と地域の2万6348人の開発者から回答を得た。

 回答者の主な属性は、開発者/プログラマー/ソフトウェアエンジニアが76%、DevOpsエンジニア/インフラ開発者が11%、チームリーダーが11%、アーキテクトが10%。

 調査結果のハイライトは以下の通り。

どの種類の生成AIツールを、どのような目的で使用しているか

 開発者が最も使用している生成AI(人工知能)ツールは、「ChatGPT」(77%)だった。2〜5位は、「GitHub Copilot」が46%、「Midjourney」および「Visual Studio IntelliCode」が26%、「DALL-E」が21%だった。

生成AIツールの使用状況(提供:JetBrains) 生成AIツールの使用状況(提供:JetBrains)

 生成AIツールの主な使用用途は、学習(35%)、ブレーンストーミングやアイデアの評価(26%)、コンテンツの要約(24%)だった。

AIツールの主な使用用途(提供:JetBrains) AIツールの主な使用用途(提供:JetBrains)
機能別に見たコーディング向け生成AIアシスタントの使用状況(提供:JetBrains) 機能別に見たコーディング向け生成AIアシスタントの使用状況(提供:JetBrains)

 今後、人間並みのパフォーマンスを発揮するAIアシスタントが登場した場合、開発者がAIアシスタントに任せたい作業は「コードコメントまたはコードドキュメントの記述」および「テストの記述」が56%、「コードベース内のコード箇所の検索」が55%、「コミットメッセージの記述」が50%、「インターネット検索」が46%だった。

人間並みのパフォーマンスを発揮するAIアシスタントに任せたい作業(提供:JetBrains) 人間並みのパフォーマンスを発揮するAIアシスタントに任せたい作業(提供:JetBrains)

生成AI使用の状況

 生成AIの使用に関する状況について、開発者は次の点に同意または反対している。

  • 生成AIサービスの使用に関する安全上の懸念がある(同意59%、反対11%)
  • 日常業務でクラウドベースの生成AIサービスを利用する準備ができている(同意53%、反対16%)
  • 生成AIサービスの使用に関する倫理上の懸念がある(同意42%、反対25%)
  • ローカルまたはオフラインのAIツールは、クラウドベースのソリューションと同等の品質およびパフォーマンスを達成できそうにない(同意40%、反対20%)
  • 勤め先のポリシーでクラウドベースのAIツールの使用が制限されている(同意28%、反対37%)
  • AGI(汎用人工知能)が人類の脅威になることを恐れている(同意19%、反対43%)

AI駆動型コード生成がもたらす開発者への影響

 生成AIを活用したコードの自動生成、いわゆる「AI駆動型コード生成」に対し、開発者は以下の点に同意または反対している。

  • AIコーディングツールがソフトウェア開発の雇用市場を変える(同意60%、反対10%)
  • AIコーディングの採用でプロのソフトウェア開発者の需要が高まる(同意51%、反対16%)
  • 一部の業界では、AIコーディングが採用されることはない(同意51%、反対20%)
  • 雇用主が全ての開発者にAIコーディングツールの知見を求めるようになる(同意49%、反対15%)
  • コーディングの大半はプロンプトエンジニアリングになる(同意33%、反対33%)
  • AIが開発者に代わって全てのコードを書くようになる(同意13%、反対61%)

 開発者はAIに対して前向きな姿勢を示しており、新たなコーディング支援ツールとしての普及が進むだろうと、JetBrainsは分析している。

よく使われているプログラミング言語、導入や移行を計画している言語は?

 過去12カ月間に使用している開発者が最も多い言語は、JavaScript(61%)であり、Pythonが54%、HTML/CSSが52%、SQLが52%、Javaが49%だった。

よく使われているプログラミング言語(2017〜2023)(提供:JetBrains) よく使われているプログラミング言語(2017〜2023)(提供:JetBrains)

 導入または移行を計画している開発者が最も多い言語は、Rust(10%)であり、Goが9%、TypeScriptとKotlinが6%、Pythonが4%だった。

メインのプログラミング言語と開発環境

 「メインのプログラミング言語は何か」(最大3つまで回答可)という質問に対し、回答者の33%がJavaを挙げた。以下、Python(32%)、JavaScript(30%)、HTML/CSS(18%)、SQL(18%)、TypeScript(18%)、C++(12%)、C#(12%)、PHP(10%)、Go(8%)、Kotlin(8%)、シェルスクリプト言語(6%)、C(5%)が続いた。

 開発環境のOSとして、回答者の64%がWindows、43%がLinux、42%がmacOS、1%がその他を挙げた。

 他の言語とTypeScriptを併用し始めた一部のプログラマーが徐々にTypeScriptのみを使用し始めており、将来的にはJavaScriptのシェアが数ポイント減少するだろうと、JetBrainsは分析している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。