Tape Storage Councilは、2023年のテープストレージ業界のトレンド、展望をまとめた「Tape Storage Council Market Outlook 2023」を発表した。
ストレージプロバイダー各社で構成されるTape Storage Council(TSC)は2023年9月に、テープストレージ業界で起きている現在のトレンド、市場展望をまとめた「Tape Storage Council Market Outlook 2023」を発表した。
同レポートによると、2025年までに全企業のデータセンターで設置されるストレージ容量は約8.4ZB(ゼタバイト)に達し、そのうち少なくとも80%(約6.72ZB)はアーカイブまたはコールドデータに分類されるため、セカンダリーストレージが圧倒的に大きなデータストレージ市場になると予測している。
TSCは、テープストレージの利用が進む要因を以下のようにまとめている。
ビッグデータアプリケーションは、分析するよりも早くデータを生成し、データ保持期間を大幅に延長し、サイズ制限を無視してデータレイクに蓄積する。90%以上の組織がAI(人工知能)やML(機械学習)技術を導入してビッグデータを掘り起こし、競争上の優位性や顧客に対する深い洞察を得ようとしている。これらは、セカンダリーストレージの要件に大きく影響している。
2023年1月現在、世界のソーシャルメディアユーザーは47億6000万人、インターネットユーザーは50億7000万人で、世界人口のほぼ63.5%を占めている。ソーシャルメディアの利用は、情報発信に多大な影響を与え、この活動で生み出される膨大な量のデータを管理する必要性にも多大な影響を及ぼしている。TSCは「テープとHDDを適切に組み込む方法を理解することは、拡張性が高く、費用対効果の高いアクティブアーカイブを実装するための典型的なユースケースとなるだろう」と述べている。
クラウドから(オンプレミスの)ストレージインフラにシフトする脱クラウドは、テープベースのハイブリッドクラウドの台頭に拍車を掛けている。多くの企業は、オンプレミスのストレージと比較して、クラウドストレージのアウトソーシングに関連するコストが高いことを経験している。
ハイブリッドテープクラウドは、データをオンプレミスとクラウドストレージインフラの両方に保存するため、TCO(総コスト)が大幅に改善され、セキュリティ、可用性、耐障害性が向上し、一般的な「3-2-1-1」バックアップルールの有効性をさらに高めるとしている。
世界中の多くのデータセンターが、二酸化炭素(CO2)排出量とエネルギー消費量を削減するため、持続可能性プログラムを実施している。サーバとHDDは、データセンターにおけるエネルギー消費の2大要素だ。
TSCは「主に利用量が少ないデータを保存するテープカートリッジは、その寿命のほとんどをライブラリスロットやオフラインラックで過ごしている。エネルギーを消費するのはテープドライブに取り付けられているときだけであり、テープに保存されたデータは、エネルギー消費量とデータセンターの二酸化炭素排出量を削減し、持続可能性目標の達成に役立つ」と述べている。
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