Microsoftは、オープンソースのリアルタイムレンダリングエンジン「Babylon.js」の最新版「Babylon.js 7.0」を公開した。WebXRやApple Vision Proに対応し、没入感やパフォーマンスを向上させる機能を追加した。
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Microsoftは2024年3月28日(米国時間)、「Babylon.js 7.0」を公開した。Babylon.js 7.0は、Webブラウザで3Dグラフィックスを表示するオープンソースのリアルタイムレンダリングエンジンの最新版だ。
Babylon.js 7.0では、プロシージャルジオメトリ(ノードジオメトリ)、グローバルイルミネーションなど複数の機能追加、改善が行われている。
Babylon.js 7.0の特徴は以下の通り。
非破壊型のノードツリーシステムを使用した、プロシージャルジオメトリ(ノードジオメトリ)機能が追加された。
エンドユーザーは数百MBの3Dアセットをダウンロードする必要がなくなり、数KBのノードジオメトリデータをダウンロードするだけで3DアセットをWebで表示できる。これによりローディング時間やパフォーマンスが大幅に改善される。
光と影が環境内で現実空間のように反射したり、拡散したりことを可能にする高度なレンダリング機能が追加された。
3次元オブジェクトを表現するニューラルネットワーク技術のNeRF(Neural Radiance Fields)、点群、平面(ビルボード)を使用して、体積データを認識して表示する。3D体験のリアリズムを向上させる。
キャラクターやオブジェクトの自然な物理的動作(ラグドール物理)をサポートし、ゲームやシミュレーションのリアリズムや没入感を強化する。
Webで拡張現実(AR)と仮想現実(VR)体験を提供するためのAPIであるWebXRをサポートした。フルスクリーンGUI、タッチ可能なUI要素、ワールドスケール、マルチビュー、手とコントローラーを同時に使用する機能に対応している。
Appleの新たなヘッドマウントディスプレイ(HMD)である「Apple Vision Pro」をフルサポートした。Apple Vision Proユーザーは、Webを通じて没入感のある世界を体験できる。
Babylon.jsの基礎であるアニメーションエンジンを更新した。この更新には、アニメーショングループのブレンドやアニメーションの特定部分をマスキングする機能が含まれる。これにより、クリエイターはアニメーションをより細かく調整できる。
Babylon.jsの全てのバージョンは、3Dモデル向けフォーマットのgLTF(GL Transmission Format)仕様をサポートしている。Babylon.js 7.0では、2つのgLTF拡張機能(Dispersion〈分散〉とAnisotropy〈異方性〉)に対応した。
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