効果的なリスク管理はビジネスレジリエンスに不可欠であり、リスクに取り組む文化を必要とする。リスクは避けるべきものと考えられるのではなく、ビジネスの意思決定の判断材料として活用される。持続可能でデータドリブンな企業には、機会、リスク管理、文化の適切なバランスが必要だ。
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地政学、規制、経済、技術の各要因が企業に大きな混乱をもたらしており、シニアビジネスリーダーはこれらの混乱を乗り切るために、リスク管理を優先する必要に迫られている。だが、データとアナリティクス(以下、D&A)のリーダーの多くにとって、リスク管理は最大の関心事ではない。
実際、Gartnerの「2024年Chief Data and Analytics Officer(CDAO)Agenda Survey」(最高データ/アナリティクス責任者<CDAO>アジェンダ調査)では、今後12〜18カ月の間、D&Aのリスク管理に自分の時間を重点的に割く予定である民間企業のCDAOは、全体の10%にとどまることが分かった。
これは、企業のビジネスリーダーが期待することと、D&Aリーダーが実現しようとしていることの間に、危険なギャップが生じている事実を示している。このギャップを埋めるには、2つの取り組みを進める必要がある。それは、より良いD&Aのリスク管理手法を構築することと、D&Aチームにおいてリスクに取り組む文化を醸成することだ。
効果的なリスク管理は、ビジネスレジリエンス(強靭〈きょうじん〉性、回復力)に不可欠であり、リスクに取り組む文化を必要とする。リスクに取り組む文化では、リスクは、避けるべきものと考えられるのではなく、ビジネスの意思決定の判断材料として活用される。
企業は今後も、さらに多くの混乱に直面することになりそうだ。今、しっかりした手順を踏んで、よりよくリスクに取り組む文化を作ることで、D&Aリーダーは、こうした混乱を見越して備える機会を得られる。
D&Aリーダーは、従業員が信念や経験に基づいて繰り返す情報リスクに関する行動が、ビジネスに与える影響を理解することで、企業文化の醸成に着手できる。持続可能でデータドリブンな企業には、機会、リスク管理、文化の適切なバランスが必要だ。
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