MicrosoftはVBScriptの廃止スケジュールを発表した。2024年下半期にリリース予定のWindowsリリースからはオンデマンド機能として、2027年ごろにはデフォルトで無効化され、削除される見通しだ。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Microsoftは2024年5月22日(米国時間)、「VBScript」(Visual Basic Scripting Edition、VBS)について、廃止に向けたスケジュールを発表した。Microsoftは2023年10月に、WindowsクライアントでVBScriptを非推奨にすることを発表している。
VBScriptは、「Visual Basic」に似たWindowsのスクリプト言語。以前は、Webページを動的に生成する技術である「Active Server Pages」(ASP)、「Internet Explorer」ブラウザ、スクリプト実行環境「Windows Script Host」(WSH)などのインタープリタまたはホストとともに、Webサイトの柔軟性や対話性を高めるために使用されていた。
Microsoftは廃止スケジュールやVBScriptで構築されたアプリやWebサイトの移行先を次のように説明している。
廃止までのスケジュールは以下の流れとなる。2024年度下半期に予定されているWindowsの新バージョンから、VBScriptはFOD(Features On Demand:オンデマンド機能)として提供される。VBScriptのFODは、最終的にWindowsから完全に削除される予定だ。
廃止は以下の3フェーズで行われる。
VBScriptのFODが全てのWindows 11(24H2バージョン以降)にデフォルトでプリインストールされる。これにより、VBScriptに依存している場合でも、依存関係(アプリケーションやプロセスなど)をVBScriptから移行する間、VBScriptの使用は中断されない。[スタート]>[設定]>[システム]>[オプション機能]で、VBScript FODがデフォルトで有効になっていることを確認することもできる。
2027年ごろには、VBScript FODはデフォルトで無効化される。その時点でまだVBScriptに依存している場合は、アプリケーションやプロセスに問題が発生しないようにFODを有効にする必要がある。
VBScript FODを引き続き使用する場合は、以下の手順に従う。
VBScriptは将来のWindowsバージョンから廃止され、VBScriptの全てのダイナミックリンクライブラリ(.dllファイル)も削除される。VBScriptに依存するプロジェクトは機能しなくなる。
Visual Basic for Applications(VBA)を使用することで、Microsoft Officeスイート内の繰り返しタスクの自動化や機能のカスタマイズが可能になる。VBAを使えば、スクリプト(マクロ)を記述してデータを操作したり、カスタムフォームを作成したり、レポートを自動化したり、他のアプリケーションとやり取りしたりするなど、さまざまなワークフローを実行できる。
現在、VBAでは2つのシナリオでVBScriptを使用できる。
VBAソリューションに上記のシナリオが含まれている場合、フェーズ1で影響はないため、既存のソリューションを引き続き使用できる。ただし、フェーズ2以降は影響するため、新しい展開に注意が必要となる。
VBAプロジェクトの実行中にランタイムエラーまたはコンパイルエラーが発生した場合は、管理者設定によってVBScript FODが有効化されていることを確認する必要がある。
Microsoftは、VBScriptに代わる2つのソリューションとしてPowerShellとJavaScriptを推奨している。
以下の場合は、PowerShellへの移行が推奨される。
VBScriptの機能はInternet Explorer 11以前のブラウザに限定されているため、フェーズ2の前にWebページをJavaScriptに移行することが推奨される。
JavaScriptはブラウザ間での互換性があり、Microsoft Edge、Mozilla Firefox、Google Chrome、Apple Safariなどの最新ブラウザでシームレスに動作する。これらのブラウザではVBScriptのサポートは実装されていない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.