パーソナルブランドを意識的に構築し、エグゼクティブプレゼンスを身に付けるには：Gartner Insights Pickup（356）

パーソナルブランディングとプロフェッショナルブランディングにより、経営幹部としての影響力と存在感を高めるべきだ。ほとんどのビジネスリーダーは、強いエグゼクティブプレゼンスや個人的影響の重要性を理解している。だが、それらを向上させるために時間とエネルギーを費やすことをためらいがちだ。これは間違っている。

[Ava McCartney, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Insights」などのグローバルコンテンツから、＠IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

　ほとんどのビジネスリーダーは、強いエグゼクティブプレゼンス（経営幹部としての存在感、振る舞い）や幅広い個人的影響の重要性を理解している。だが、それらを向上させるために時間とエネルギーを費やすことをためらいがちだ。これは間違っている。

　初めて経営幹部職に就くのは、強力なパーソナルブランドとプロフェッショナルイメージを再考し、構築するまたとない機会だ。だが、この機会を逃すと、一方的にレッテルを貼られたり、前任者と同列に見られたり、取るに足りないようなことで悪い印象を持たれたりする恐れがある。パーソナルブランドとプロフェッショナルブランドを意識的に構築し、影響力を発揮するために、以下の3つの重要なステップを踏むことをお勧めする。

（出所：Gartner）

ステップ1：自分の立ち位置を把握する

• 他人を通して自分観察の練習をする：　他人があなたについて話すときに使う言葉やフレーズ、あなたに手助けやアドバイスを求めに来る理由、どの会議や打ち合わせに呼ばれるかをメモしておく
• ブランド発見のヒントとなる会話をする：　業績評価の一環として360度フィードバック（※）を最近受けている場合、それを振り返る。また、会話の場を設け、具体例とともに実践的なアドバイスを求める

※評価対象者を、上司、同僚、部下など立場の異なる複数人が多面的に評価する。

• 現状を評価する：　自分の行動を特徴付けるテーマに加え、自分の行動と自分の価値がどのように結び付いているのかを探る。表面的には強みに見える弱みに注意する。分かったことを幾つかの言葉やフレーズとして抽出する

ステップ2：自分がどう見られたいかを決める

• 自己分析期間に分かったことを全て考慮に入れる：　ゼロから始める必要はほとんどない。適切なプレゼンスやブランドの構築は、多くの場合、再発明というよりもむしろ再調整だ
• 短いリストを2つ作る：　目指すブランドを定義する言葉やフレーズの短いリストと、避けたい振る舞いや姿をまとめた短いリストを作る
• これらのリストを念頭に置いて日々の業務に当たる：　これらのリストは、あなたの判断を導く目標およびガードレールとなり、あなたのプレゼンスがパーソナルブランドを反映するだけでなく、それを強化する出発点となる

（出所：Gartner）

ステップ3：自分の差別化分野を特定する

• 自分の差別化分野を特定することで、他の人があなたらしいと認識する行動、コミュニケーション、アクションのモデルが確立される。それに基づいてパーソナルブランドを作り上げれば、何も恐れるものはない
• 目指すブランドを定義するリストと、避けたい振る舞いや姿のリストを、それぞれ幾つかのフレーズに絞り込む。これらのフレーズは、差別化要因に焦点を当てたものにし、自分の役割に対する期待の単なる言い換えにならないようにする。例えば、「技術者」「信頼できる」「頼りになる」と絞り込んだリストを念頭に置いて業務に当たっても、「頼りになる技術者」が大勢いる分野では頭角を現せない
• 自分がアピールしようとしている特徴が、自社の文脈でどのように見え、感じられるかを考える。それを踏まえて、自社が市場で提供する価値や体験に貢献する要素を、自分の目指すパーソナルブランドに落とし込む

背景

　Gartnerのマネージング バイス プレジデント、エド・ガブリス（Ed Gabrys）氏はこう話す。

　「エグゼクティブプレゼンスは、あなたの影響力を驚くほど左右する。他の人があなたとやりとりするときに、ひしひしと感じるものだからだ。これに対し、パーソナルブランドは、あなたがどのように記憶されるかに影響する。自分がどう見られているかを知らず、どう見られたいかを意識していなければ、影響力のあるプレゼンスを築くことは不可能に近い。あなたの自分ブランドは、せいぜい偶然の産物でしかない」」

同僚に伝えるべき3つのこと

1. 経営リーダーにとって、パーソナルブランドに入念に磨きをかけることは、良い時間の使い方だ
2. 一方的にレッテルを貼られたり、前任者と同列に見られたり、1つの不運な出来事で悪いイメージを持たれたりするリスクを冒してはならない
3. 現在自分がどう見られているか、どう見られたいか、どうすれば頭角を現せるかを理解することで、成功に必要な影響力を身に付けられる

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要約

• パーソナルブランド（自分ブランド）を意識的に構築しなければ、エグゼクティブプレゼンス（経営幹部としての存在感、振る舞い）を身に付け、影響力を発揮することはほとんど不可能だ
• 自分ブランドに磨きをかける3ステップの手順を紹介する。この手順は、初めて経営幹部職に就くときに特に役立つ

出典：To Develop an Executive Presence, Build an Intentional Personal Brand（Insights）

筆者　Ava McCartney

Editorial Director