【 Dismount-VHD 】コマンドレット――マウントした仮想ディスクを接続解除（ディスマウント）する：Windows PowerShell基本Tips（111）

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Dismount-VHD」コマンドレットを解説します。

[後藤諭史，＠IT]

連載目次

　本連載では、Windows PowerShellの基本的なコマンドレットについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、接続（マウント）した仮想ディスクを接続解除（ディスマウント）する「Dismount-VHD」コマンドレットです。

目次

Dismount-VHDの概要 | 書式 | オプション

実行例

• 指定したパスの仮想ディスクをディスマウントする
• 指定したディスク番号の仮想ディスクをディスマウントする

Dismount-VHDコマンドレットとは？

　本連載第110回では仮想ディスクをマウントし、物理ディスクと同じように使用可能にする「Mount-VHD」コマンドレットを紹介しました。OS上で仮想ディスクをマウントすると、仮想ディスクファイルはロックされてしまうため、移動や削除ができません。

　当然のことながら、他のプロセスからの操作もブロックされるため、仮想ディスクファイルに対して何か操作する際は、リムーバブルメディアのように“取り出す”必要があります。

　GUI（グラフィカルユーザーインタフェース）のツール上からは、リムーバブルメディアと同様に、Windowsの「エクスプローラー」で「取り出し」を実施することでディスマウントできます。また、「ディスクの管理」ツールの「操作」メニューから「すべてのタスク」→「VHDの切断」を実行することで、仮想ディスクをディスマウントできます（画面1）。

画面1　「ディスクの管理」ツールからも仮想ディスクのディスマウントが可能

　Windows PowerShellで仮想ディスクの接続を解除する場合は、今回紹介するDismount-VHDコマンドレットを使用します。

【注】Dismount-VHDは「Windows PowerShell用Hyper-Vモジュール」に含まれるコマンドレットです。GUIの「Windowsの機能の有効化」や「役割と機能の追加」から「Hyper-V」を有効にするか、Windows PowerShellで「Enable-WindowsOptionalFeature」コマンドレットで有効にすることで使用できます。

Dismount-VHDコマンドレットの書式

Dismount-VHD [オプション]

Dismount-VHDコマンドレットの主なオプション

オプション	意味
-Path	ディスマウントする仮想ディスクのパスを指定する。「-DiskNumber」オプション使用時には省略可能
-DiskNumber	ディスマウントする仮想ディスクのディスク番号を指定する。「-Path」オプション使用時には省略可能
-Passthru	オブジェクトをパイプ（|）で渡す場合に使用する。省略可能

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指定したパスの仮想ディスクをディスマウントする

　Dismount-VHDコマンドレットを仮想ディスクのパスを指定して実行すると、仮想ディスクをディスマウントできます（画面2）。なお、Dismount-VHDコマンドレットは管理者権限で実行する必要があります。

コマンドレット実行例

Dismount-VHD -Path D:\VHDFolder\DataDisk_01.vhdx

画面2　仮想ディスクのパスを指定してDismount-VHDコマンドレットを実行した結果

　上記実行例では、Dismount-VHDコマンドレット実行前後に「Get-Disk」コマンドレット（本連載第90回で紹介）で現在認識しているディスクを確認しています。Dismount-VHDコマンドレット実行後、ディスク番号「2」のディスクが消えていることが分かります。

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指定したディスク番号の仮想ディスクをディスマウントする

　Get-Diskコマンドレットでディスク番号を確認後、仮想ディスクのディスク番号を「-DiskNumber」オプションで指定してDismount-VHDコマンドレット実行することでもディスマウントできます（画面3）。

コマンドレット実行例

Dismount-VHD -DiskNumber 2

画面3　-DiskNumberオプションを使用してDismount-VHDコマンドレットを実行した結果

　なお、Dismount-VHDコマンドレットもMount-VHDコマンドレット同様、パイプを使用する際には「-Passthru」オプションで“明示的にオブジェクトを引き渡す”必要があります。Windows PowerShellでスクリプトを作成する際には注意してください。

筆者紹介

後藤 諭史（ごとう さとし）

Microsoft MVP for Cloud and Datacenter Management（2012-2024）。現業の傍ら、コミュニティーイベントでの登壇や著作にてMicrosoftテクノロジーに関する技術情報の発信、共有を続けている。ネットワークやハードウェアといった物理層に近いところが大好きな、昔ながらのインフラ屋さん。得意技はケーブル整線。近著は『詳解! Windows Server仮想ネットワーク』（日経BP社）。