OracleとAWS、2024年12月に「Oracle Database@AWS」プレビューをリリースへOracle CloudWorld 2024

OracleとAWSは、OCIとAWSを組み合わせて顧客に提供するためのパートナーシップを締結し、2024年12月に「Oracle Database@AWS」プレビューをリリースすると発表した。「Oracle CloudWorld 2024」に登壇したOracle 会長兼CTOラリー・エリソン氏とAWSでCEOのマット・ガーマン氏が、同サービスの価値を語った。

» 2024年09月12日 10時30分 公開
[石川俊明@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 OracleとAmazon Web Services(以後、AWS)は2024年9月9日(米国時間、以下同)、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」とAWSを組み合わせて顧客に提供できるようパートナーシップを締結したと発表した。このパートナーシップに基づくサービスとして2024年12月に「Oracle Database@AWS」プレビューをリリースする。

 OracleとAWSは「専用インフラ上で動作する『Oracle Autonomous Database』や『Oracle Real Application Clusters(RAC)』上で実行されるワークロードを含む、AWS上の『Oracle Exadata Database Service』への直接アクセスを可能にする」と述べている。

 両社によると、Oracle Database@AWSでは、顧客に次のようなメリットを提供するという。

  • Oracle DatabaseサービスとAWS Analyticsサービス間のゼロETL(Extract、Transform、Load)統合により、Oracle DatabaseサービスとAWS上で稼働しているアプリケーション間のデータをシームレスかつセキュアに接続して分析し、より迅速に洞察を得られるようになる
  • 「Oracle Zero Downtime Migration」などの移行ツールとの互換性を含め、データベースのクラウド移行を簡素化および迅速化するための柔軟なオプションを提供する
  • AWS MarketplaceからOracle Databaseサービスを購入できるようになる。自前で用意したライセンスを利用するBYOL(Bring Your Own License)に対応し、「Oracle Support Rewards(OSR)」の特典を利用することもできる
  • AWSとOracleの2社がサポートを提供する。レファレンスアーキテクチャ、ランディングゾーン、各種資料によるガイダンスを提供する
  • 「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」とのシームレスな統合を実現する。データベースのバックアップとリストアを容易にし、ディザスタリカバリーを支援する

 OracleとAWSは「『AWS Management Console』やコマンドラインインタフェース(CLI)、『AWS CloudFormation』を使用して、Oracle Database@AWSを簡単に利用できる。AWSのマルチAZ(アベイラビリティゾーン)アーキテクチャを用いて、高可用性を備えたアプリケーションを設計することもできる」と述べている。

ラリー・エリソン氏は「オープンマルチクラウドの時代」と強調

 Oracleは2023年12月に「Oracle Database@Azure」の一般提供を、Oracle Database@AWSの発表と同日に、4つのリージョンで「Oracle Database@Google Cloud」の一般提供開始を発表している。

 米ラスベガスで開催した「Oracle CloudWorld 2024」(2024年9月9〜13日)の基調講演に登壇したOracle 会長兼CTO(最高技術責任者)のラリー・エリソン氏は、これらの取り組みについて「オープンマルチクラウドの時代だ」と強調した。

Oracle 会長兼CTO ラリー・エリソン氏 Oracle 会長兼CTO ラリー・エリソン氏

 「OracleとAWSをネットワークでつないでマルチクラウドとして利用することもできたが、これは最適でも理想的でもなかった。AWS側のアプリケーションとOracle Cloud側のデータベースを接続した際に、パフォーマンスや遅延の問題が生じるためだ。理想的な解決策は、Oracleの最新のデータベースソフトウェアとハードウェア、ExadataクラスタをAWS内に持ち込み、それらを顧客に提供することであり、AWSとのパートナーシップを通じて、この理想的な解決策を実現する。レイテンシの問題もなく、プロビジョニングもしやすく、透明性も高まる。クラウドは開かれたものになりつつあり、もはや壁で囲まれたものではなくなっている」(エリソン氏)

 基調講演にゲストとして登壇したAWS CEOのマット・ガーマン氏は、同サービスのメリットを次のように話した。

 「『既存のワークロードをOracle Databaseを使用しながらAWSで実行できるようにしたい』という顧客の要望に応えられるようになる。顧客はAWS Marketplaceを通じてこれらのサービスを購入可能であり、AWS上で一括管理できる。Oracle Databaseと『Amazon SageMaker』を直接組み合わせることも可能になる」(ガーマン氏)

ラリー・エリソン氏(左)とAWS CEO マット・ガーマン氏(右) ラリー・エリソン氏(左)とAWS CEO マット・ガーマン氏(右)

 エリソン氏は「Oracle Database@AWSは2024年12月にバージニアリージョンでプレビュー版の提供を開始し、2025年に複数のリージョンに拡張する計画だ」と述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。