無料でWebページ読み込みを最大45%高速化するCloudflareの「Speed Brain」はどのブラウザで使える?AIが次に移動するページを予測して先読み

Cloudflareは、Webページの読み込みを最大45%高速化する無料の新機能「Speed Brain」を発表した。ユーザーが次に訪問するWebページを予測し、移動前にページをブラウザキャッシュにダウンロードしておくことで、ページの読み込み時間を完全になくすことを目指している。

» 2024年10月01日 08時00分 公開
[@IT]

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 Cloudflareは2024年9月25日(米国時間)、Webページの読み込みを最大45%高速化する無料の新機能「Speed Brain」を発表した。

 Speed Brainは、ユーザーが次に訪問するWebページを予測し、ユーザーがそのページに移動する前にそのページをブラウザキャッシュにダウンロードしておくことで、ページの読み込み時間を完全になくすことを目指している。この機能により、Cloudflareを利用するWebサイトの読み込みはこれまで以上に速くなり、ほぼ瞬時に完了すると、Cloudflareは述べている。

Speed BrainはどのWebブラウザで利用できる?

 Speed Brainは、「Chrome Speculation-Rules API」に加え、クライアント(Webユーザー)とサーバ(Webサイト)間に位置するCloudflareの巨大なグローバルネットワークによって実現されており、「Chromium」ベースの「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などのWebブラウザがこの機能の恩恵を受ける。

 Webの進化とともにWebページの読み込み速度は飛躍的に向上してきたが、Webサイトを訪問した際に、Webページの特定の部分(HTMLファイルから静的画像まで)のダウンロードで遅延が発生する場合が依然としてある。Speed Brainは、この待ち時間を完全になくし、ページを瞬時にレンダリングすることを目指している。

 Cloudflareの共同創設者でCEOのマシュー・プリンス氏は、「Speed Brainを有効化にすることで、Cloudflareは瞬時に何百万ものWebページを50%近く高速化した。他社が読み込み時間を短縮または排除しようと試みている中で、Cloudflareは、当社のネットワークを使用するインターネットのかなりの部分で、それを瞬時に実現できるユニークな立場にある」と述べている。

機械学習やAIも導入

 Speed Brainは、ユーザーが次に訪問する可能性の高いページのコンテンツをプリフェッチ(先読み)するが、これは現在、ユーザーがリンクにカーソルをホバーしたときや、リンクをクリックし始めたときに、次に訪問するページを推測するという保守的な方式で行われている。

 Cloudflareは今後数カ月から2025年にかけて、機械学習(ML)とAI(人工知能)を利用して、これまでのWebトラフィックとリクエストに基づいてユーザーが次に移動するページを予測する、より積極的な予測方式を導入する。

 例えば、衣料品を販売するECサイトで有効化されたSpeed Brainは、過去のWebリクエストからの洞察を使用して、高い精度で推測を行う。

 具体的には、ユーザーが親ページで「男性>衣料品」を閲覧している場合は、「シャツ」をクリックする可能性が高くなる。そこでSpeed Brainは、ユーザーが「シャツ」のリンクをクリックする前に、画像などの静的コンテンツの配信をあらかじめ開始する。その結果、ユーザーが「シャツ」をクリックすると、瞬時にページが読み込まれる。

 GoogleのWebパフォーマンスデベロッパーアドボケートを務めるバリー・ポラード氏は、「われわれのチームにとって、Cloudflareのような企業がSpeculation-Rules APIを、サイトオーナーにとって非常にシンプルな方法で使用することで、多くの人にとって非常に高速なブラウジング体験を実現するのはエキサイティングなことだ。機械学習の最適化により、サイトオーナーの負担がさらに軽減され、より多くの人々がインターネットをより高速に利用できるようになるだろう」と述べている。

 Speed Brainは、全てのCloudflareプランで無料で利用できる。現在、Freeプランを使用のドメインでデフォルトで有効になっている。Pro、Business、Enterpriseプランのユーザーは、Speed Brainを手動で有効化できる。

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