2024年第2四半期エンタープライズ無線LAN市場、「Wi-Fi 6E」シェア拡大 IDC調査「Wi-Fi 7」の展開も

IDCによると、2024年第2四半期の世界エンタープライズ無線LAN市場は前四半期比12.4%増の23億ドルとなった。

» 2024年10月03日 08時00分 公開
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 IDCは2024年9月12日(米国時間)、2024年第2四半期のエンタープライズ無線LAN市場動向を発表した。2024年第1四半期から第2四半期にかけて同市場の収益は12.4%増加し、23億ドルに達した。一方、前年同期比では22.8%減となった。

 IDCは「2022年後半から2023年前半にかけての高い成長率は、コロナ禍の影響で発生した製品出荷の滞留などサプライチェーンを巡る混乱が解消したことが要因だ。主要ベンダーの報告によれば、2024年第2四半期は、需要と供給が正常な水準に戻りつつある」と述べている。

「Wi-Fi 6E」のシェア拡大 「Wi-Fi 7」の展開も

 IDCによると、6GHz帯に対応する「Wi-Fi 6」の拡張規格「Wi-Fi 6E」の採用は2023年第2四半期より増加したという。依存型アクセスポイント(AP)セグメントの収益は、Wi-Fi 6Eが前年同期比15.7ポイント増の30.0%、新しいWi-Fi規格である「Wi-Fi 7」は、収益の2.8%を占めた。残りの大部分をWi-Fi 6が占めている。

 IDCで企業ネットワーク担当リサーチマネジャーを務めるブランド・バトラー氏は「エンタープライズ無線LAN市場は、Wi-Fi 7の登場、6GHz帯の解禁、AI(人工知能)やクラウドベースの管理による自動化やパフォーマンス向上など、重要な進展が見られる。無線LANは企業にとって非常に重要な技術であることに変わりはない」と述べている。

地域別で見る無線LAN市場動向

 地域別に見ると、2024年第2四半期のエンタープライズ無線LAN市場は、米国が前年同期比30.6%減、西欧が22.3%減、中欧/東欧が21.5%減、アジア太平洋地域(日本と中国を除く)が16.2%減、中国が9.8%減だった。

 一方、前四半期比では、米国が15.3%増、西欧が3.3%増、中欧/東欧が14.4%増、アジア太平洋地域が7.9%増、中国が39.6%増だった。

企業別で見る無線LAN市場動向

 IDCは、2024年第2四半期末時点におけるエンタープライズ無線LAN市場の主要企業のハイライトを次のようにまとめた。

企業名 2024年第2四半期収益(前年同期比) 第2四半期収益(前四半期比) 市場シェア
Cisco Systems -29.7% +6.7% 39.6%
HPE Aruba Networking -29.3% +4.7% 14.8%
Huawei -0.5% +60.9% 9.6%
Ubiquiti +7.8% +5.7% 8.1%
Juniper Networks +6.8% +18.8% 5.1%
全世界における主要エンタープライズ無線LAN企業の収益推移(提供:IDC) 全世界における主要エンタープライズ無線LAN企業の収益推移(提供:IDC)

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