Google CloudのDORA(DevOps Research and Assessment)チームは、「2024 Accelerate State of DevOps」レポートを発表した。AIとプラットフォームエンジニアリングの重要性が増しているという。
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Google CloudのDORA(DevOps Research and Assessment)チームは2024年10月23日(米国時間)、「2024 Accelerate State of DevOps」レポートを発表した。同チームは以下のように説明している。
DORAチームでは、ソフトウェア開発者、マネジャーなどの技術職に就く専門家を対象に実施した調査データを基に、テクノロジー主導の組織で高いパフォーマンスを発揮するための能力、実践、指標について調査レポートを10年以上にわたって発行してきた。
開発者は生産性を向上させ、責務を果たすために、ますますAI(人工知能)に頼るようになっている。2024年の調査では、今回の調査で、AI活用における利点とトレードオフの複雑な状況が浮き彫りになった。
2024年のレポートでは、プラットフォームエンジニアリングに慎重にアプローチする必要性や、高いパフォーマンスを実現する上で、開発者の経験の重要性を強調している。
AIの普及により、ソフトウェア開発の手法が変わりつつある。回答者の75%以上が、少なくとも1つの日常業務でAIを利用していると回答している。最も一般的な使用例は、コード記述、情報の要約、コードの説明などだ。
調査では、AIが多くの開発者の生産性を高めていることが確認されている。回答者の3分の1以上が、AIによる「中程度」から「極端」な生産性の向上を経験している。
AIの導入が25%増加すると、幾つかの重要な分野で改善が見られる。
しかしメリットとは逆に、AIの導入は、ソフトウェアのデリバリーパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるという大きな発見があった。AIの導入が進むにつれて、デリバリーのスループットが1.5%低下し、安定性が7.2%低下したと推定できる。
調査データは、開発プロセスを改善しても、ソフトウェアデリバリーが自動的に改善されるわけではないことを示唆している。少なくとも、バッチの軽量化やテストメカニズムの堅牢(けんろう)化など、ソフトウェアのデリバリーを成功させるための基本を適切に実施しない限り、デリバリーの改善は難しい。AIは、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを高めるための個人的/組織的要因にプラスの影響を与えるが、万能ではない。
また、調査では、生産性の向上にもかかわらず、回答者の39%がAIの生成したコードをほとんど信頼していないと答えている。この信頼性の低さは、AIの統合をより慎重に管理する必要があることを示している。チームは、開発ワークフローにおけるAIの役割を慎重に評価し、マイナス面を軽減する必要がある。
DORAチームはこれらの結果に基づき、以下3つを推奨する。
2024年に注目したもう一つの新たな分野は、プラットフォームエンジニアリングだ。その焦点は、プロセスを合理化し、効率を高めるための社内開発プラットフォームの構築と運用にある。
調査結果に基づき、DORAチームはプラットフォームエンジニアリングに関する次の4つの重要な知見を得た。
ユーザーのニーズを優先し、開発者を支援し、潜在的な課題を予測する慎重なアプローチが、プラットフォームエンジニアリングの取り組みの成果を最大化するための鍵となる。
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