AI主導の業務プロセスにした企業の成長率が「同業他社の倍以上」に アクセンチュア調査2026年までに生成AIと自動化への投資が拡大

アクセンチュアは、レポート「生成AIによる企業オペレーションの再創造」を発表した。それによると、業務をAI主導のプロセスへと進化させた企業の割合は、2023年の9%から2024年は16%にほぼ倍増していることが分かった。

» 2024年11月25日 08時00分 公開
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 アクセンチュアは2024年11月20日、レポート「生成AIによる企業オペレーションの再創造(Reinventing Enterprise Operations with Gen AI)」を発表した。これは、日本を含む12カ国を対象に実施した、業務オペレーションの成熟度に関する調査の結果をまとめたもの。それによると、業務をAI(人工知能)主導のプロセスへと進化させた企業の割合は、2023年の9%から2024年は16%に増加していることが明らかになった。

画像 プレスリリース

同業他社と比べて収益成長率、生産性が倍以上に

 調査結果によると、生成AIと自動化への投資効果が「期待通り」または「期待以上である」と回答した企業の割合は74%、日本に限ると76%だった。そして63%(日本では95%)の企業が「2026年までに生成AIと自動化への投資を拡大する予定」と回答した。また、業務をAI主導のプロセスに進化させた企業は、同業他社と比べて収益成長率は2.5倍、生産性は2.4倍になっており、生成AIの試験導入から本格実装への移行に成功した割合は3.3倍だった。

画像 業務プロセスをAI主導に切り替えた企業の割合と他社比較(提供:アクセンチュア

 こうした“変革に向けた準備が整っている企業”は、生成AIの効果を企業活動全体に迅速に拡大させている。調査結果によると、IT(75%)、マーケティング(64%)、顧客サービス(59%)、財務(58%)、研究開発(34%)といったビジネスの中核となる部署で生成AIの活用事例をいち早く開発していた。その半面、旧来のオペレーション体制からの脱却に苦労している企業は64%(日本では62%)を占めている。「データ基盤の構築が遅れているために自社のデータ資産が生成AIに対応できない」と回答した企業の割合は61%。「独自データを使用する事業の規模拡大が困難」は70%だった。

 オペレーションの成熟度が低い企業の82%が、課題を抱えていることも明らかになった。代表的な課題としては「人材変革に向けた戦略策定に着手していない」「人材ニーズを満たす計画がない」「新規人材の獲得が進まない」「生成AIを活用した業務に備えるための研修が整っていない」などが挙がった。また、78%の経営幹部は「生成AIなどの技術の進歩が速すぎて、自社の人材育成が追い付かない」と回答していた。

 Accentureのアルンダティ・チャクラボルティ氏(アクセンチュア オペレーションズ グループ最高経営責任者)は、「大多数の経営幹部は、生成AIを使って早急に企業変革を進める必要性を理解しているものの、現場の業務オペレーションの体制が整わず大規模な変革に対応する準備ができていない。AIを活用したインテリジェントオペレーションの実現には、人材、先端のビジネスプロセスの実践、ビジネスとITの部門間の効果的な連携など、首尾一貫した視点が不可欠だ」と述べている。

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