エンタープライズAIガバナンスにおける統合アプローチの重要性：Gartner Insights Pickup（384）

企業がAIシステムを本格運用に移行する中、持続的な成功を確保するには、効果的なガバナンスが重要になる。エンタープライズAIガバナンスは、領域横断的な適応型アプローチだ。これにより、規制や企業のコンプライアンス要件を満たしながら、生産性の向上やカスタマーエクスペリエンスの改善など、AIの適用による効果を享受できる。

[Remi Gulzar, Gartner]

ガートナーの米国本社発のオフィシャルサイト「Insights」などのグローバルコンテンツから、＠IT編集部が独自の視点で“読むべき記事”をピックアップして翻訳。グローバルのITトレンドを先取りし「今、何が起きているのか、起きようとしているのか」を展望する。

　企業がAIシステムを試験運用から本格運用に移行する中、持続的な成功を確保するには、効果的なガバナンスが重要になる。

　AIは大きな機会とインパクトをもたらすので、極めて重要なビジネス上の決定事項であり、戦略的に取り組む必要がある。CIO（最高情報責任者）と経営幹部は、IT、リスク、データとアナリティクスにおけるガバナンスを統合し、企業全体でのAIの責任ある使用について、情報に基づいて意思決定をしなければならない。

　AIに関する意思決定は、強固な組織文化に支えられながら、トップダウンで枠組みを設計しなければならない。このアプローチにより、AIの強みを活用すると同時に、潜在的なリスクから企業を保護できる。

　このプロセスでは、プライバシーと利便性のバランスに加え、信頼とコントロールのバランスを取ることが不可欠だ。AIを安全にデプロイ（展開）、スケーリングし、責任あるAIの使用を確保し、規制や自社の要件を満たす鍵は、効果的なガバナンスだ。

エンタープライズAIガバナンス：領域横断的な適応型アプローチ