Visual Studio Code 1.98公開 ターミナルの入力補完を強化する「ターミナル IntelliSense」など新機能は?Copilot Chatでコードベースの検索が可能になるなど、開発体験を強化

Microsoftはクロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「February 2025」(バージョン1.98)を公開した。ターミナルのIntelliSense強化やコード検索の向上など、開発体験を大きく向上させているという。

» 2025年03月25日 08時00分 公開
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 Microsoftは2025年3月6日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「February 2025」(バージョン1.98)を公開した。

 VS Codeバージョン1.98では、GitHub Copilotでコードの変更を提案する「Next Edit Suggestions」(以下、NES)の折りたたみモードやノートブック編集のサポート、Copilot Chatで画像に対応する「Copilot Vision」、コード検索の向上やターミナルのIntelliSense強化など、開発体験を大きく向上させているという。

VS Codeバージョン1.98の主な変更点

NESの折りたたみモード(プレビュー)

 NESは、VSCode内で使えるGitHub Copilot関連の新機能。既存のコードを修正する際、変更内容を予測して提案する。この機能に折りたたみモードを追加した。このモードを有効にすると、エディタの左側にNESの提案インジケーターのみが表示される。連続する提案は即時表示されるが、ある提案が受け入れられなかった時点で以降の提案は停止する。

NES折りたたみモードを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft) NES折りたたみモードを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft)

 折りたたみモードはデフォルトで無効になっており、「editor.inlineSuggest.edits.showCollapsed」の設定を変更するか、NESのメニューから有効または無効にできる。NESを利用するには、「github.copilot.nextEditSuggestions」を有効化させる必要がある。

NESのガターインジケーターメニューからの有効化(提供:Microsoft) NESのガターインジケーターメニューからの有効化(提供:Microsoft)

Copilot Editsのノートブックサポート(プレビュー)

 VS Codeの開発版「VS Code Insiders」のプレビュー機能として、Copilot Editsにおけるノートブックのサポートが導入された。

 これにより、Copilotを使ってソースコードと同じ感覚でノートブックファイルを編集できるようになる。新規ノートブックの作成、複数セルの内容変更、セルの挿入/削除、セルタイプの変更が可能になった。このプレビュー機能により、データサイエンスやドキュメントノートブックのワークフローがシームレスになるという。

 同機能は現在、VS Code Insidersでのみ利用可能であり、今後のアップデートでVS Codeの安定版にも導入される見通しだ。

ノートブックサポートを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft) ノートブックサポートを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft)

Copilot Vision(プレビュー)

 Copilot Chatのプレビュー機能として、画像サポート機能が追加された。これにより、画像を添付したり、チャットプロンプトで画像を操作したりできるようになる。デバッグ中にエラーが発生した場合、VS Codeのスクリーンショットを添付してCopilotに解決策を尋ねることができる。UIモックアップを添付し、それを実装するためのHTMLやCSSをCopilotに生成させることもできるという。

Copilot Visionを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft) Copilot Visionを有効化したときのVS Codeの画面イメージ(提供:Microsoft)

 画像の添付方法は以下の通り。

  • OSやエクスプローラーから画像をドラッグ&ドロップ
  • クリップボードから画像を貼り付け
  • VS Codeウィンドウのスクリーンショットを添付(ペーパークリップボタン > Screenshot Window)

 現在、選択したモデルにおいて、そのファイル形式を処理できない場合、警告が表示される。現時点でサポートされているモデルは「GPT-4o」のみだが、今後、「Claude 3.5 Sonnet」「Gemini 2.0 Flash」にも対応する予定だという。対応する画像形式は、JPEG/JPG、PNG、GIF、WebPとなっている。

Copilot Chatにおける高度なコードベース検索

 Copilot Chatのクエリに「#codebase」を追加すると、ワークスペース内の関連コードを検索できるようになる。「#codebase」はテキスト検索やファイル検索などのツールを活用し、ワークスペースのコンテキストを取得するという。

 この機能を有効にするには、「github.copilot.chat.codesearch.enabled」を設定する必要がある。利用可能なツールは以下の通り。

  • 埋め込みベースのセマンティック検索
  • テキスト検索
  • ファイル検索
  • Gitで変更されたファイル検索
  • プロジェクト構造解析
  • ファイル読み取り
  • ディレクトリ読み取り
  • ワークスペースシンボル検索

カスタム指示の一般提供開始

 カスタム指示(Custom Instructions)機能の一般提供が開始された。同機能を利用すると、GitHub Copilotのチャット応答やコード提案を、ユーザーやチームのワークフローに合わせてカスタマイズできるようになる。

 特定の要件をMarkdown形式で「.github/copilot-instructions.md」ファイルに記述し、ワークスペースに配置することで利用できる。

 同機能は「github.copilot.chat.codeGeneration.useInstructionFiles」を有効化することで利用できる。

ターミナル IntelliSense(プレビュー)

 ターミナル IntelliSenseは、Bash、Zsh、Fish、PowerShellなどのターミナルにおける入力補完を大幅に強化するものだ。「git」などのコマンド補完を追加し、より適切な提案が提供される他、ファイルやフォルダの補完機能も強化されているという。

ターミナルにおいてgitコマンドの入力を補完したときの画面イメージ(提供:Microsoft) ターミナルにおいてgitコマンドの入力を補完したときの画面イメージ(提供:Microsoft)

 この機能を有効化するには、「terminal.integrated.suggest.enabled」を設定する必要がある。

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