Microsoftは2025年3月、「Visual Studio Code」の最新版「March 2025」(バージョン 1.99)を公開した。VS Codeの安定版で「エージェントモード」が利用可能になり、MCPサーバにも対応するなど、幾つかの変更点がある。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Microsoftは2025年3月、「Windows」や「Linux」「macOS」に対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「March 2025」(バージョン 1.99)を公開した。VS Code 1.99では、安定版で「エージェントモード」が利用可能になった他、「AI(人工知能)ノートブック編集」が改善されるなどしている。
VS Codeバージョン 1.99で主に変更されたのは以下の4つの機能だ。
VS Codeの安定版でエージェントモードが利用可能になった。「chat.agent.enabled」を有効にすれば利用できる。設定が表示されない場合は、VS Codeを再読み込みするといいだろう。なお、Microsoftによると、近々、全てのユーザーに対してデフォルト(初期設定)で有効になる予定で、この設定は不要になるはずだ。
エージェントモードは、「MCP」(Model Context Protocol)対応のサーバツールで拡張可能となっている。詳細はドキュメントを確認するか、チャットビューのモード選択メニューから「Agent」を選択することで確認できる。
エージェントモードを含む、ノートブックに対するAI支援型の編集機能が、安定版リリースでも利用可能になった。この機能は、2025年2月の「VS Code Insiders版」でプレビューとして導入されたものだ。
これによって、ノートブックファイルもコードファイルと同様、直感的に編集できるようになった。チャットを通じてさまざまな操作が可能。例えば複数セルにまたがるコンテンツの編集、セルの追加や削除、セルタイプ(コード/マークダウンなど)の変更など。この機能は、データサイエンスやドキュメント作成におけるノートブック作業のワークフローを一層スムーズにする。
Next Edit Suggestionsが正式にリリースされた。リリースに合わせて、同機能のユーザー体験を向上させるための改善が反映されている。
AIによる編集生成プロセスにおいて、以下の細かな調整が加えられた。
「Copilot Pro」および「Copilot Free」のユーザーはMicrosoft(Azureモデル)、Anthropic、Google(Geminiモデル)、OpenAI、Ollama、OpenRouterなどの主要プロバイダーで発行したAPIキーを、VS Codeに持ち込んで利用できるようになった。これによって、「Copilot」がネイティブにサポートしていない新しいAIモデルであっても、リリース初日から利用可能になる。
キー持ち込み(BYOK)を試してみたい場合は、モデル選択メニューから「Manage Models...」を選択する。なお、2025年3月現在Microsoftは「Copilot Business」および「Copilot Enterprise」ユーザー向けの対応も検討しており、今後のリリースで詳細を共有する予定としている。
VS Codeにおけるチャット機能が統一され、「Chatビュー」として再設計された。これまでのように複数のビューを切り替えたり、会話のコンテキストを見失ったりすることなく、1つの場所でさまざまなチャットモードを簡単に切り替えられるようになった。
シナリオに応じて、これらのモードのいずれかを使用し、会話の途中で自由に移動できる。
質問モード(Ask):
コードベースに関する質問や、アイデアのブレインストーミングに最適化されている。
編集モード(Edit)
複数ファイルにわたるコードの編集作業に最適化されている。
エージェントモード(Agent)
コード編集とツールの呼び出しを組み合わせた、自律的なコーディングフローに最適化されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Coding Edge 記事ランキング