Backblazeは、2025年第2四半期の自社データセンターにおけるデータドライブの統計レポートを発表した。
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クラウドストレージやクラウドバックアップサービスを提供するBackblazeは2025年8月5日(米国時間、以下同)、2025年第2四半期の自社データセンターにおけるデータドライブの統計レポートを発表した。
2025年第2四半期末(6月30日)時点で、Backblazeは世界のデータセンターで32万1201台のドライブを管理していた。そのうち3971台が起動ドライブ(SSDとHDD)、31万7230台がデータドライブ(全てHDD)だ。同レポートではデータドライブに焦点を当て、以下について報告している。
Backblazeは、2025年第2四半期全体でモニタリングしていた31万8487台のHDDから、以下の495台を除いた31万7992台のHDDを分析し、これらを構成する30種類のモデル別に2025年第2四半期のAFRを算出した。
除外された495台のドライブの内訳は以下の通り。
全ドライブモデルの四半期AFRは、2024年第4四半期の1.35%から2025年第1四半期には1.42%に上昇したが、2025年第2四半期は1.36%に低下した。
Seagateの12TBモデル「ST12000NM0007」は、2025年第1四半期のAFRが9.47%と極めて高い水準にあったが、第2四半期には3.58%まで下がった。ドライブ台数はほぼ横ばい(第1四半期:1038台、第2四半期:1014台)であるため、これは故障率の実際の変化を示している。ただし、このモデルの2024年第4四半期のAFRは8.72%だったため、今回の数字が新しいパターンを指すものなのかどうかは注意すべきだ。
AFRの改善が目立った他のモデルには、HGSTの12TBモデル「HUH721212ALN604」(第1四半期:4.97%、第2四半期:3.39%)と、Seagateの14TBモデル「ST14000NM0138」(第1四半期:6.82%、第2四半期:4.37%)などがある。
東芝の16TBモデル「MG09ACA16TE」が、新たに分析対象に加わった。
2025年第2四半期に故障がなかった、または1件だけだったモデルは以下の通り。Seagateの8TBモデル「ST8000NM000A」は、3四半期連続で故障ゼロとなった。
故障ゼロ
故障1件
Backblazeは、2025年第2四半期末時点でモニタリングしていたHDDから、以下のドライブを除いた39万3907台のHDDを分析し、これらを構成する27種類のモデル別に、2025年第2四半期末までの累積故障率(生涯AFR)を以下のように算出した。
除外されたドライブの内訳は以下の通り。
全ドライブモデルの2025年第2四半期末までの生涯AFRは1.30%となり、2025年第1四半期末までの生涯AFR(1.32%)からわずかに低下した。
Backblazeの小容量ドライブは平均使用期間が長くなり、古くなっている。上の表のうち、12TB以下のドライブモデルを抜粋したものが下の表だ。これら13種類のモデル全体の生涯AFRは、1.54%となっている。
13種類のモデルのうち、平均使用期間が5年以上のモデル(紫色)が8種類、4年以上5年未満のモデル(オレンジ色)が2種類ある。これら10種類のモデルについて見ると、生涯AFRは1.42%だ。ただし、この10種類のモデルには、生涯AFRが1.0%未満と低い外れ値の4モデルが含まれていることに注意が必要だ。この4モデルは以下の通り。
また、上の13種類のモデルのうち、平均使用期間が6年以上のモデルが5種類あり、下の表のように、これら5種類のモデル全体の生涯AFRは、1.33%にとどまっている。
「平均使用期間の長さによる生涯AFRの違いはさておき、2025年第2四半期末における生涯AFRの算出対象である39万3907台のうち、12TB以下のモデルは15万6724台と約40%を占める。これは注目すべきカテゴリーだ」とBackblazeは述べている。
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