ソフトクリエイトは「AI導入・活用における企業の動向と情報システム部の意識調査 2025」の結果を発表した。AI活用が社内の多様な部門に浸透しつつあるものの、システム連携やセキュリティ面での課題が明らかになった。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトクリエイトは2025年10月8日、「AI導入・活用における企業の動向と情報システム部の意識調査 2025」の結果を発表した。これは企業の情報システム部門を対象に、AI(人工知能)の導入と活用の動向を調べたもの。それによるとAIに関与している情報システム部の割合が大きく拡大していることが分かった。
情報システム部門のAIへの関与状況について尋ねると、「導入から運用まで一元的に関与」と回答した割合は37.3%で、2024年の調査と比べて4.1ポイント増加した。「技術的な支援や選定、導入や設定などに部分的に関与」と回答した人は34.7%で、同8.2ポイント増。これに対して「ほとんど情報システム部門は関与しない」という回答は16.0%で対2024年比で8.9ポイント減っている。ソフトクリエイトは「この背景には、業務効率化や人材不足対応など、全社的なAI活用ニーズの高まりがある」と分析している。
AIの導入と活用状況を4段階に分け、自社がどの段階にあるかを聞いたところ、第1段階の「安全な生成AIの導入」が28.9%、第2段階の「AIチャットの業務利用」が20.3%、第3段階の「社内システムとのAI連携」は3.6%、第4段階の「分類AIとの融合」は1.0%だった。一方、第1段階に満たない「組織として導入、活用せず」は30.6%だった。AI導入は進みつつあるものの、組織全体での本格的な活用やシステム連携には高い壁があるとソフトクリエイトは指摘している。
AIの業務利用に関する懸念については、「学習データからの情報漏えい」を挙げた人の割合は70.1%(複数回答、以下同)で、2024年の調査と比べて7.0ポイント増加した。「知的財産権侵害」(同10.1ポイント増の53.6%)や「コンプライアンス違反」(同2.7ポイント増の48.3%)など、リスクへの意識も拡大していた。ソフトクリエイトは、AI導入時にはセキュリティガイドラインの策定や運用ルールの明確化、AI製品選定時のセキュリティ基準の重視が、今後ますます重要になるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.