JetBrainsは、開発者エコシステムの現状調査結果をまとめた年次レポート「The State of Developer Ecosystem 2025」を発表した。今回のレポートでは、特にAIと開発者の関わりの変化について詳しく分析している。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
JetBrainsは2025年10月15日(チェコ時間)、開発者エコシステム(開発者を取り巻く環境全体)の現状を調査した年次レポート「The State of Developer Ecosystem 2025」を発表した。同調査は2025年4〜6月に実施し、194カ国の2万4534人の開発者から有効回答を得た。
本稿では、同レポートの中でも特に注目すべきポイントを幾つか厳選して紹介する。
AI(人工知能)は開発者の業務に浸透しつつあり、開発者の85%がコーディングと開発にAIツールを定期的に使用している。62%は「少なくとも1つのAIコーディングアシスタント、AIエージェント、AIコードエディタに依存している」と回答している。
AIツールをコーディングや開発に使用している開発者の88%は、1週間当たり1時間以上節約しており、19%は8時間以上を節約していると回答している。こうした導入効果から、開発者の68%は「近い将来、雇用主がAIツールの活用能力を職務要件として位置付けるようになる」と予想している。
特定の機能を実装するコードの作成に携わっている開発者の割合を調べた調査項目でも、AI関連のコードを扱う開発者は全体の25%で、データ処理および分析を実装するコードを作成する開発者の割合(29%)に迫っている。
調査結果によるとほとんどの開発者は、反復的なタスクをAIに任せることを好むが、創造的で複雑なタスクについては、引き続き自らが担当することを望んでいる。
開発者が今後、AIに任せる可能性が高い開発業務として上位に挙がったのは以下の5つだ。
一方、開発でのAI利用について、開発者から懸念として上位に挙がったのは以下の5つ。
開発者が選択するプログラミング言語は、業界の状況と、どの技術が現在注目を集めているかを示している。
「TypeScript」は、使用する開発者の割合が過去5年間で最も大きく上昇した。「Rust」「Go」「Kotlin」を使用する開発者の割合も着実に上昇しているが、そのペースはTypeScriptほどではない。一方、「PHP」「Ruby」「Objective-C」の利用率は停滞している。
JetBrainsは2024年調査から、「JetBrains Language Promise Index」(言語有望度インデックス)という新しい指標を導入している。過去5年間のユーザー数の増加、増加の安定性、導入を計画している開発者の割合などを組み合わせて算出したものだ。
このインデックスの上位5言語は、TypeScript、Rust、「Python」、Go、「C++」だ。これに対し、16〜20位は「SQL」「JavaScript」「HTML / CSS」「Objective-C」「Ruby」となっている。興味深いのは「Scala」だ。メイン言語として使用している開発者の割合は2%に過ぎないが、給与の高い従業員の割合が38%で最も高い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.