JetBrainsは、PHP開発者エコシステムの現状調査レポート「The State of PHP 2025」を発表した。PHP開発者の7割が4年以上の使用経験を持つが、2025年は新規ユーザーの割合がわずかに上昇した。
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JetBrainsは2025年10月15日(チェコ時間)、PHP開発者エコシステム(開発者を取り巻く環境全体)の現状調査レポート「The State of PHP 2025」を発表した。これは、世界の開発者約2万5000人に対する調査結果をまとめた年次レポート「The State of Developer Ecosystem 2025」の中からPHP開発者1720人の回答を抜き出して分析したものだ。
The State of Developer Ecosystem 2025の概要は以下の通り。
過去5年程度の間に、PHPの主流のバージョンは「PHP 7.x」から「PHP 8.x」に入れ替わった。レガシーバージョン(PHP 5.6以前)のユーザーは1割を切っている。
PHP開発者の過半数は、今後1年以内に他の言語を採用したり移行したりする予定はないと回答した。採用や移行を予定している開発者の間では、「Go」と「Python」が最も有力な代替言語となっている。
2025年はPHPの新規ユーザーの割合がわずかに上昇した。それでも、PHP開発者の72%は4年以上の使用経験がある。
フレームワークの使用率では、「Laravel」が以前から首位を維持しており、「WordPress」「Symfony」が続いている。「CodeIgniter」「Yii」「CakePHP」も、使用率は低いが安定して推移している。
「PhpStorm」と、PHPプラグインを導入した「IntelliJ IDEA Ultimate」を使用しているPHP開発者の割合が2024年調査から10ポイント上昇し、68%となった。「Visual Studio Code」(以下、VS Code)のユーザーシェアは10ポイント以上低下した一方で、新顔の「Cursor」が6%のシェアを獲得した。
PhpStormとVS Codeをメインに使用しているユーザーに満足度を尋ねたところ、「非常に満足している」と答えた割合は、PhpStormユーザーの方が2倍以上高かった。
多くの開発者が「var_dump」形式のアプローチに依存しているが、デバッガ(「Xdebug」など)の使用率が39%へとわずかに上昇した。
「PHPUnit」が依然として標準だが、「Pest」の使用率が2024年調査から4ポイント上昇して17%に達し、モダンで開発者に優しいテストフレームワークの人気を示している。ただし、開発者の32%はいまだにPHPコードに対してテストを書いていない。
「PHPStan」が使用率を9ポイント伸ばし、初めて首位に立った。「PHP CS Fixer」や「PHP_CodeSniffer」も広く使われている。「Rector」の使用率も着実に上昇している。それでも、回答者の42%はコード品質ツールを定期的に使用していない。
開発者の95%が少なくとも1つのAIツールを試したことがあり、79%が少なくとも1つのAIコーディングアシスタント、エージェント、コードエディタを試したことがある。
「ChatGPT」「GitHub Copilot」が首位、2位を占めるが、使用率は低下している。これに対し、「JetBrains AI Assistant」「Cursor」は大幅に使用率を伸ばしている。
PHP開発者の72%が1年以内にAIコーディングエージェントを試す可能性が高いと答え、「可能性が低い」と答えたのはわずか8%だった。
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