Googleは、Nutanixのハイブリッドクラウド基盤「Nutanix Cloud Clusters」(NC2)がGoogle Cloudで一般提供開始になったと発表した。
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Googleは2025年12月10日(米国時間)、同社のクラウドサービス群「Google Cloud」でNutanixのハイブリッドクラウド基盤を利用できる「Nutanix Cloud Clusters(NC2) on Google Cloud」の一般提供が開始になったと発表した。
NC2 on Google Cloudは、Google Cloudの仮想マシンサービス「Google Compute Engine」のベアメタルインスタンスでNutanixの仮想化基盤を実行する。
NC2 on Google Cloudの主な特徴として、以下の3点が挙げられる。
インフラ性能
「Z3」や「C4」といった新しいタイプのベアメタルインスタンスで動作可能。ネットワークとストレージの処理をCPUからオフロードするための処理基盤「Titanium」を搭載する。ストレージには、低レイテンシかつ高スループットを実現するために、高速性を追求したカスタム設計の「Titanium SSD」を使用する。
AI活用
NC2上で動作するアプリケーションのデータと、Googleの生成AIサービス「Gemini Enterprise」やAI開発プラットフォーム「Vertex AI」を同一のGoogle Cloud環境内で連携させることができる。
例えばアプリケーションのログデータを低レイテンシでGoogle Cloudのデータウェアハウス(DWH)サービス「BigQuery」に転送し、リアルタイム分析を行ったり、Vertex AIを使って予測メンテナンスや不正検知といった分析処理を実行したりできる。
コスト最適化
必要に応じてリソースを増減できる動的スケーリング機能に加え、1年または3年などの一定期間の利用を前提とした「確約利用割引」(CUD:Committed Use Discount)や、より柔軟に契約期間を選べる「Flex CUD」などの仕組みを活用することで、コストを効率的に抑制できる。
NC2 on Google Cloudの主なコンポーネントとしては、前述のGoogle Compute Engineのインスタンスの他に、ネットワーク機能や統合管理機能がある。
NC2はGoogle Cloud内に構築できるユーザー専用の仮想ネットワーク「Google Cloud Virtual Private Cloud」(VPC)内で動作する。仮想ネットワーク構築機能「Nutanix Flow Virtual Networking」でオーバーレイ型の仮想ネットワークを構築することで、ハイブリッドクラウドの複雑性を低減する。
運用管理においては運用管理ツール「Prism Central」を使うことで、オンプレミスとクラウドを一元的に運用管理し、ハイブリッドクラウドの運用管理を簡素化する。
NC2をGoogle Cloudで利用するユースケースとしては、以下のようなものが想定される。
Nutanix NC2のライセンスは、Google Cloudのマーケットプレース「Google Cloud Marketplace」から購入可能になる。提供地域は、原稿執筆時点ではGoogle Cloudの17リージョンとなっており、2026年にかけて継続的に拡大する見通し。
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