Microsoftは、Visual Studio CodeのInsiders版において「JavaScript/TypeScript Modernizer」(プレビュー)を公開した。古いJavaScript/TypeScriptアプリケーションのパッケージ更新やソースコードのモダナイズを支援するという。
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Microsoftは2025年12月9日(米国時間)、「Visual Studio Code」(VS Code)のInsiders(開発版ビルド)向けに、AI(人工知能)でJavaScriptおよびTypeScriptプロジェクト向けのモダナイゼーションを支援する「JavaScript/TypeScript Modernizer」(以下、JS/TS Modernizer)のプレビュー版を公開した。
JS/TS Modernizerは、「GitHub Copilot」を活用し、JavaScriptおよびTypeScriptアプリケーションの依存関係更新や破壊的変更(APIの仕様変更など)への対応を自動化するツールだ。アプリケーション開発者にとって負荷の高い保守作業の効率化を支援するという。
プロジェクト内のpackage.jsonを分析して更新計画を提案し、npmパッケージを最新版へ更新するとともに、新APIへの追従に必要なコード修正もAIエージェントが主導する。
アップグレード作業はVS Code上の「Copilot Chat」を通じて対話的に進む一方、ファイルの書き換えやコマンド実行(npm installなど)はAIエージェントが実行する。開発者はAIエージェントによる提案や作業内容を監督、承認するだけで済むため、迅速かつ確実に最新環境へ移行できるという。
JS/TS Modernizerは、VS Code Insiders向けの拡張機能「GitHub Copilot app modernization」(プレビュー版)の一部として提供される。利用には以下の要件を満たす必要がある。
セットアップを完了させるには、VS Codeの設定で以下のフラグを有効にする必要がある。
{
"appmod.experimental.task.typescript.upgrade": true
}
JS/TS Modernizerは、拡張機能に含まれる専用パネルから以下の手順で利用できる。
VS Code Insidersでプロジェクトフォルダを開き、アクティビティーバーの「GitHub Copilot App Modernization」パネルを表示させる。
ツールは自動でブランチを作成しないため、Microsoftは必要に応じて事前に作業用ブランチへの切り替えを推奨している。
パネル上の「Upgrade npm Packages」を選択する。
Copilot Chatが開き、AIエージェントがプロジェクトを分析、更新計画を提示する。承認すると、パッケージの更新、コード修正、検証(ビルドやテスト)を実行する。ユーザーはチャット経由で質問に答えたり、進行を見守ったりする。
更新完了後、ソース管理ビューなどで変更差分(diff)を確認する。問題がなければ開発者自身がコミットを行い、作業を完了させる。
プレビュー時点では、複数のpackage.jsonを含むワークスペースの場合、正しく対象を認識できない場合があるという。Microsoftは、1つのプロジェクトフォルダのみ開いた状態での実行を推奨している。
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