OpenAIが過去1年を分析、エンジニアから非技術職まで“AIの時短効果”が広がる企業のAI利用は新たな段階へ

OpenAIは、企業におけるAIの活用状況に関する調査レポート「The state of enterprise AI」(エンタープライズAIの現状)を公開した。

» 2026年01月06日 13時00分 公開
[@IT]

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 OpenAIは2025年12月、企業のAI(人工知能)活用状況についての調査レポート「The state of enterprise AI」(エンタープライズAIの現状)を公開。「汎用(はんよう)技術は、基盤となる機能を大規模なユースケースへと発展させて初めて大きな経済的価値が生まれる」とした上で、企業のAI活用はまさにその段階に入りつつあるとの見解を示した。

 このレポートの分析は、OpenAIの顧客企業による実際の使用状況と、約100社の従業員9000人を対象にOpenAIが実施したAIの導入傾向に関する調査結果を基にしている。具体的に、企業におけるAI活用の進展や、その成果については次の通り。

OpenAIが過去1年を分析、AIによる効率化はどこまで進んだ?

 企業におけるAI導入は、従業員の働き方、チームの協力の仕方、製品開発や提供の方法を変革し、広がりだけでなく深みにおいても活用が進展している。

  • 過去1年間で、「ChatGPT Enterprise」の週ごとのメッセージ数は約8倍に増加
  • 平均的な従業員が送信するメッセージ数は30%増加
  • プロジェクトやカスタムGPTなどの構造化されたワークフローの使用量は、2025年に入ってから19倍増加
    • カジュアルなクエリから、統合された反復可能なプロセスへの移行が見られる
  • 過去12カ月で、組織ごとの平均推論トークン消費量は約320倍増加
    • よりインテリジェントなモデルが製品やサービスに体系的に統合されていることを示唆している

 従業員がAIをより頻繁に利用しているだけでなく、より一層高度なタスクに活用していることを調査結果は示している。

AIは業種や地域を問わず、急速に普及

 AIはあらゆる業種で普及が進んでおり、特に次の業種で勢いがある。

  • 急速に普及している業種:テクノロジー、ヘルスケア、製造
  • 広く普及している業種:専門サービス、金融、テクノロジー

 顧客企業が急速に増えている国は、オーストラリア、ブラジル、オランダ、フランスなどで、いずれも増加率は前年比140%を超える。

 API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用する顧客企業のうち、米国外の増加率は過去6カ月で70%を超える。日本はAPIの顧客企業数が米国以外では最も多いという。

従業員はAI活用による明確な成果を報告

 調査対象企業の従業員は、AI活用の成果を以下のように報告している。

  • 75%の従業員が、職場でAIを使用することで、成果物のスピードや品質が向上
  • 従業員は1日当たり40〜60分間、時間を節約
  • ヘビーユーザーは週に10時間以上、時間を節約

部門別の成果

 以下のように、AIがさまざまな部門で価値を生み出しているという報告もある。

  • IT従事者の87%が、ITに関する問題解決を迅速化
  • マーケティングおよび製品ユーザーの85%が、キャンペーンの実施を迅速化
  • 人事の75%が、従業員エンゲージメントを改善
  • エンジニアの73%が、コードのリリースを高速化

新しい業務での活用

 従業員はAIにより、同じ仕事をより速く行うだけでなく、新しい種類の仕事もこなしている。

  • 技術職以外の従業員におけるコーディング関連のメッセージが36%増加
  • 75%のユーザーが、以前はできなかった新しいタスクを完了できるようになったと報告

先進的なユーザーや企業がけん引

 OpenAIのデータは、先進的な従業員や企業と他の従業員や企業の間で、AIの活用度の差が広がっていることを示している。

  • 先進的な従業員(上位5%)は、中央値の従業員よりも6倍多くのメッセージを送り、高度な機能全般をより集中的に活用
  • 先進的な企業は、1シート当たり2倍のメッセージを送信し、チームの活動にAIがより深く統合

 OpenAIは、AIによるインテリジェンスをより多く活用し、より多様なタスクに取り組むほど、業務効率化の効果が高まりやすい傾向があるとする。その上で、AIの機能更新が頻繁に実施されていることを踏まえ、AI活用に当たっての主な制約は、組織の準備状況と実装にあると指摘している。

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