Clouderaは2026年に企業がAI活用の前提となるデータ基盤を再評価するとし、「AIサイロ化」「AIエージェント」「プライベートAI」「AI人材育成」「AI投資の精査」に関する5つの予測を発表した。
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Clouderaは2025年12月、2026年に向けたAI(人工知能)とデータ活用の展望を発表し、企業が今後の競争力維持に向けてデータ基盤の再評価と強化を迫られると強調した。
同社のアジア太平洋・日本地域 シニアバイスプレジデントのリマス・リム氏は、大企業と中堅中小企業の投資スタンスの違いに触れつつ、「AIの成功は強固なデータ基盤にかかっている」と指摘。規制強化と期待の高まりの中で、データの整備状況が、安全なスケール、確信を持ったイノベーション、測定可能なビジネス成果を左右すると説明する。
こうした背景を踏まえ、Clouderaは2026年に企業のAI戦略がどのように進化していくのかを示す5つの予測を提示している。
Clouderaはまず、「AIサイロ化」が新たな企業課題として浮上すると予測する。生成AIや現在注目される自律型AIの登場時と同様に、多くの企業は新技術にいち早く飛び付いているが、その導入は部門単位で個別に進められるケースが多い。各部署が独自にツールを選定し、個別にPoC(概念実証)を実施、展開した結果、AIの利用環境が分断されるAIサイロ化が進行しているという。
この現象は、初期のビジネスインテリジェンス(BI)導入期にも見られたとし、組織全体で一貫したガバナンス(管理体制)や統制を維持することが難しくなる点を課題に挙げる。
2つ目の予測では、2026年は自律的に判断、行動するAIエージェントの実用化が加速する転換点になるという。パイロット運用やプロトタイプ段階を経て、特に金融サービス業界では、資産形成アシスタントから高度な不正防止システムに至るまで、多様なユースケースで本格導入が進むと見込む。
ClouderaがFinextra Researchに委託したグローバル調査では、金融サービス企業の97%が少なくとも1件のAI/機械学習ユースケースを本番環境で稼働させており、AIが既にビジネスの必須要素になっている実態が示されている。一方で、約半数の企業は成熟度の中間段階にとどまり、スケーリング、ガバナンス、コスト管理が依然として課題だとしている。
次のステップは、AIエージェントをスケーラブルに運用することだ。そのためにはリアルタイムかつガバナンスの効いたデータへの接続と、ビジネスワークフロー全体への統合が不可欠とした。これにより、企業は単なる知的自動化にとどまらず、コンテキスト(文脈)を理解し、追跡可能で安全性の高い自動化を実装できるという。
3つ目の予測としては、「プライベートAI」が企業にとって次の優先事項になると指摘する。世界的に規制が強まり、データ主権(自国のデータは自国内の法律の下で管理するという考え方)への関心が高まる中、金融、医療、公共といった高度に規制された業界では、機密データを外部にさらさずに生成AIや、AIエージェントを活用できるプライベートAIアーキテクチャの導入が加速するとみている。
プライベートAIのフレームワークは、制御された環境でモデルを運用し、異常を迅速に検知しつつ、パブリッククラウドの脆弱(ぜいじゃく)性への露出を最小化する上で重要な役割を果たすという。
4つ目の予測では、2026年は、人材育成がAI活用の成否を左右する年になるという。AIリテラシーや技術スキル、倫理意識への投資を怠る企業は、運用効率の低下、成果のばらつき、コンプライアンス違反といったリスクに直面する可能性があると警鐘を鳴らす。
従業員はAIの仕組みを理解するだけでなく、どの場面でAIの出力を信頼できるのかを学ぶ必要があるという。
責任あるAIの原則を研修やガバナンス、業務設計に組み込むことで、自信と能力を備えた人材を育成できるとし、人のスキルと体系的なガードレールを組み合わせることで、リスクを抑えながら迅速なイノベーションを推進し、AIによる意思決定を企業倫理およびデータガバナンス基準に沿ったものにできると述べている。
5つ目の予測は、企業のAI投資戦略の精査が求められる点だ。2026年には、経済環境の逆風を背景に「イノベーションのためのAI」から「成果のためのAI」へのシフトが進むとし、次のフェーズではROI(投資対効果)、効率性、目的に即した導入が重視されるようになると見通す。
CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)は、あらゆるAI施策について明確なビジネスケースを構築する必要があり、「全ての業務に高性能GPUや複雑なモデルが必要なわけではない」と強調する。
最後に、Clouderaは2026年が「AIを実装する企業」と「AIを信じるだけの企業」とを分ける年になると総括している。
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