Dockerは1000種類以上の「Docker Hardened Images」をApache 2.0ライセンスで公開すると発表した。脆弱性を大幅に削減した強化版イメージを無償で提供する。
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Dockerは2025年12月17日(米国時間)、有料版で提供されていた1000種類以上の「Docker Hardened Images」(DHI)を、オープンソースライセンス「Apache 2.0」の下で、無償で提供すると発表した。DHIは脆弱(ぜいじゃく)性のリスクを大幅に低減した、セキュリティを強固にした“ハードニング済み”の強化版コンテナイメージとなっている。
コンテナはアプリケーションを本番環境で動かすための標準的な手段となり、コンテナイメージの共有サービス「Docker Hub」では、毎月200億回以上のプル(イメージのダウンロード)が発生しているという。一方で、ソフトウェア開発に不可欠なライブラリやコンテナイメージの供給過程を狙う「ソフトウェアサプライチェーン攻撃」のリスクが深刻化している。
今回無償化された強化版イメージであるDHIは、Linuxディストリビューションの「Debian」および「Alpine Linux」をベースに構築されている。従来のコミュニティー版イメージと比較して脆弱(ぜいじゃく)性を最大95%削減しているという。DHIは以下の要素を標準で備える。
DHIは、ディストリビューションレス(アプリケーションの実行に必要な最小限のファイルだけを含む)なランタイムを採用することで、開発者が必要とするツールを維持しつつ、攻撃対象領域を最小限に抑えるという。既存のコンテナをスキャンし、同等のDHIを推奨・適用するAI(人工知能)アシスタント機能も提供する。
Dockerは、AI開発で利用が広がる「MCP」(Model Context Protocol)サーバにもDHIの強化手法を拡張する。MCPサーバは新たな侵入経路となり得る存在であり、データ漏えいリスクが指摘されているためだ。「Grafana」や「MongoDB」「GitHub」などの、10種類以上の主要MCPサーバの強化版イメージを公開した。
高度なセキュリティとコンプライアンス(法令順守)を求める組織向けには、以下の要件に対応する有料の「DHI Enterprise」を提供する。
開発元のサポート終了後も保護を継続する「DHI Extended Lifecycle Support」(DHI ELS)も導入する。DHI ELSでは、アップストリームのサポート終了後も5年間にわたりセキュリティ保護策を継続し、CVEのパッチ提供、SBOMの更新、継続的な監査対応を実施する。
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