CIOがITのビジネス価値を明確に示す重要性が高まっている。経営層は、ITに業務支援以上の効果を求めている。説得力のあるストーリーを描くことで、CIOは技術投資を経営の最優先事項と結び付け、ステークホルダーとの連携を強化し、IT部門を成長とイノベーションを推進する戦略的パートナーとして位置付けられる。本稿では、そのための5つの実践的なステップを紹介する。
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CIO(最高情報責任者)がITのビジネス価値を実証することは、これまで以上に重要になっている。現代の経営者は、ITが業務支援以上の効果をもたらすことを期待する。組織の戦略目標に対する明確で測定可能な貢献を求めている。
説得力のあるビジネス価値のストーリーを構築することで、CIOは、技術投資をビジネスの最優先事項と整合させ、ステークホルダーとの連携を強化し、IT部門を成長とイノベーションを推進する戦略的パートナーとして確立できる。
以下に示す5つの実践的なステップは、CIOがIT部門を戦略の担い手として位置付け、ビジネス部門との有意義な対話をリードするのに役立つ。
多くの場合、ITのビジネス価値のストーリーを訴求する相手はCEO、CFO(最高財務責任者)、COO(最高執行責任者)などの経営幹部、ビジネス部門リーダー、組織内の他の主要な意思決定者などだ。さらに、IT投資に影響を与える、あるいはIT投資を評価する取締役会メンバーや投資家、外部ステークホルダーも訴求対象となることが多い。
各グループ固有の優先事項、技術的知識、期待を理解することが欠かせない。各グループの役割と責任に合わせてストーリーを調整することで、IT目標に対するこれらのグループのエンゲージメントと支持を高められる。
CIOはまず、「訴求対象にとって何が最も重要か」を理解することで、ITの価値をより効果的に伝えられる。経営幹部や主要なステークホルダーは、収益成長、コスト最適化、リスク軽減、業務効率化、顧客満足度、競争上の差別化など、組織の成功に直結する成果を求めている。ITの取り組みがどのように戦略目標を支援し、イノベーションを可能にし、測定可能な投資対効果をもたらすのかに注目している。
技術投資を具体的なビジネス上の利益や組織全体のミッション(使命)と明確に結び付けることで、CIOはITのビジネス価値のストーリーで意思決定者の共感を呼び、ITの優先事項への持続的な支持を得られる。
CIOは「技術的な取り組みによって、訴求対象の最重要課題にどのように対処するか」に焦点を当てることで、ITのインパクトを明確にできる。これは、ITによってどのように「新しいビジネス能力を実現するか」「主要プロセスを自動化するか」「データ主導の意思決定を改善するか」「顧客体験を向上させるか」「業務リスクを低減するか」を特定するということだ。
ITプロジェクトをビジネス目標(成長促進、コスト削減、アジリティ〈俊敏性〉向上など)と整合させることで、CIOは、技術投資と測定可能なビジネス成果の明確なつながりを示せる。市場投入期間の短縮、コンプライアンスの強化、顧客維持率の向上といった成果を強調することで、IT部門を単なるコストセンターではなく、戦略的価値を生み出す存在として位置付けられる。
CIOは「いかにITが組織に有意義なビジネス成果をもたらすか」を明確に説明することで、効果的な価値ストーリーを構築できる。これは、技術が日常業務を支援するにとどまらず、どのように競争優位を生み出し、リスクを軽減し、新たな収益機会を創出するかを浮き彫りにするストーリーを作るということだ。
IT投資がビジネス成果に直結することを示す明確なデータ主導のストーリーを構築することで、CIOは、IT部門をコストセンターから戦略的パートナーへと格上げし、IT部門への経営幹部やステークホルダーの信頼と支持を獲得できる。このアプローチにより、ITの貢献が組織の成功と長期ビジョンに不可欠なものであると認識されるようになる。
CIOは、組織目標に沿ったKPI(重要業績評価指標)と成果を追跡することで、IT価値ストーリーのインパクトを測定できる。これには、ROI(投資対効果)やコスト削減のような財務指標、システムアップタイムやインシデント対応時間のような運用指標、市場シェア、顧客満足度、従業員生産性のような戦略的指標などのモニタリングが含まれる。
これらの結果を前後比較や実際のケーススタディーを用いて定期的に報告することで、ITがビジネス価値を生み出すことを具体的に示せる。ステークホルダーからのフィードバックを収集することで、CIOは価値ストーリーをさらに洗練させることができ、それは価値ストーリーが有効性を保ち、訴求対象にアピールし、望ましいビジネス成果の促進につながる。
出典:Five-Step Approach to Build the Business Value of IT(Gartner)
※この記事は、2025年11月に執筆されたものです。
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